2011 Fiscal Year Annual Research Report
肝再生に関わる未分化前駆細胞(オーバル細胞)制御シグナルネットワークの解明
Project/Area Number |
22790271
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊藤 暢 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教 (50396917)
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Keywords | 再生医学 / 細胞・組織 / シグナル伝達 / FGF / 肝臓 / 組織幹細胞 / オーバル細胞 |
Research Abstract |
重篤な障害を受けた肝臓では、未分化な肝前駆細胞(オーバル細胞)が活性化して再生に寄与している。最近、オーバル細胞の性状が解明されつつあるが、その動態を制御する分子機構については未だほとんど明らかとなっていない。 本研究課題では、マウス成体肝オーバル細胞の発生・増殖・分化を制御するシグナルネットワークの様態と作用機序の解明を目的として、「オーバル細胞に対するWnt,FGF,Tweakの協同的作用の可能性の検証とin vivoにおける機能解析」および「オーバル細胞とニッチ構成細胞との相互作用を担う新規分子の同定と機能解析」に並行して取り組んでいる。 昨年度までに、障害肝においてThy1陽性細胞がオーバル細胞に対するニッチを構成し、これが産生するFGF7が機能的ニッチシグナルとしてオーバル細胞制御に必須の役割を担うことを明らかにしてきた。本年度はさらに、成体肝臓内において、肝細胞への分化能を有する肝前駆細胞活性がFGF7シグナルにより増幅されることを明らかにした。また、オーバル細胞の制御メカニズムとして、新たにNotchシグナル経路の関与を見出した。以上の成果について、国内外の学会において発表を行うとともに、現在、国際誌への投稿準備中である。 さらに、オーバル細胞とニッチ構成細胞との相互作用を担う可能性のある分子として、オーバル細胞側より産生されてニッチ側の制御に関わると想定される複数の候補分子を同定した。現在、これら分子について、in vivoでの遺伝子導入系を中心とした詳細な機能解析と作用機序の解明を進めている。
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Research Products
(7 results)