2011 Fiscal Year Annual Research Report
がん及び神経変性疾患関連スフィンゴ糖脂質の細胞内輸送システムの独自性と普遍性
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22790280
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山内 祥生 名古屋大学, 医学系研究科, 助教 (00444878)
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Keywords | スフィンゴ糖脂質 / ガングリオシド / 神経変性疾患 / ニーマン-ピック病 / メラノーマ / 脂質ラフト |
Research Abstract |
スフィンゴ糖脂質(GSL)は、がん細胞や神経細胞で特に重要な役割を果たしており、がんや神経変性疾患などの病態に深く関与している。GSLは脂質ラフトと呼ばれる細胞膜ドメインに局在し、細胞機能の調節に重要な役割を果たしている。しかしながら、GSLの細胞内輸送メカニズムや脂質ラフトへの集積メカニズムはほとんど理解されていない。本年度は、がん関連GSLI及び神経変性疾患関連GSLについて、以下の成果を得た。 GD3は、メラノーマに高発現するGSL.でメラノーマ抗原の一つである。GD3は脂質ラフトに集積し、悪性形質に関わるシグナルを増強していることが示されている。申請者らは、GD3が転写因子SREBPを活性化してコレステロール合成を亢進させることで、脂質ラフトの構造や機能の維持させていることを明らかにした。さらに、SREBPを介したコレステロール合成経路がメラノーマ細胞の悪性形質発現に重要な役割を果たしていることを明らかにした。 ニーマン-ピックC型(NPC)病は、重篤な遺伝性の神経変性疾患である。患者の脳などではコレステロールとGSLが蓄積する。GSLは、NPC病の病態に重要な役割を果たしており、その蓄積の阻害はNPC病や他のGSL蓄積症の治療方法の開発にとって重要である。申請者らは、昨年度に樹立した疾患関連GSLを蓄積するNPC1欠損細胞を用いて、リソソームから細胞膜へGSLの輸送を促進する低分子量化合物を発見した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
がん関連GSLについては、メラノーマ抗原であるGD3がコレステロール生合成経路を活性化することで脂質ラフトの構造や機能の維持に重要な役割を果たしており、これががんの悪性形質の発現に重要な役割を果たしていることを明らかにした。一方、神経変性疾患関連GSLについては、NPC病細胞において疾患関連GSLの輸送を改善する低分量化合物を発見した。
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Strategy for Future Research Activity |
がん関連GSLについては、申請書に記載したAkt基質として同定されたAS160とがん関連GSL,の輸送について今後研究を進める。野生型及び恒常的活性化型AS160を安定発現したメラノーマ細胞株を樹立したので、それらの細胞を用いて、がん関連GSLの細胞内局在等について解析を行う。神経変性疾患関連GSL、の輸送については、NPC細胞において低分子量化合物が疾患関連GSLの細胞内輸送を改善する分子メカニズムについて研究を進める。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Functional activation of Src family kinase yes protein is essential for the enhanced malignant properties of human melanoma cells expressing ganglioside GD32011
Author(s)
Hamamura K, Tsuji M, Hotta H, Ohkawa Y, Takahashi M, Shibuya H, Nakashima H, Yamauchi Y, Hashimoto N, Hattori H, Ueda M, Furukawa K, Furukawa K
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Journal Title
J.Biol.Chem.
Volume: 286
Pages: 18526-18537
DOI
Peer Reviewed
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