2011 Fiscal Year Annual Research Report
カルシウムイオン結合性小胞体タンパク質カルミンの生理的役割の解明
Project/Area Number |
22790288
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山本 伸一郎 京都大学, 薬学研究科, 助教 (10542102)
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Keywords | 脂質輸送 / 極性細胞 / 小胞体 |
Research Abstract |
Caluminは小胞体膜タンパク質であるが、その詳細な生理機能は不明である。Calumin欠損マウスはE10.5-11.5で胎生致死となることから、生体内において必須の役割を担っていることが示されている。本申請研究においては、caluminの生理機能の解明を目指し検討を行った。 Calumin欠損胎児では血管形成の異常が認めらた。しかし血管形成能評価によってCaluminは血管形成に関与しないことが明らかになった。そこで胎児におけるCaluminの発現を観察したところ、卵黄嚢の内胚葉細胞の粗面小胞体に特異的に発現していた。また詳細な解剖学的観察を行ったところ内胚葉細胞に顕著な脂肪滴の貯留が認められた。卵黄嚢の内胚葉細胞は養分を取り込み、胎児に栄養を供給するための極性細胞として知られており、小腸上皮細胞と同様の機能を有している。そこで成獣マウスの小腸に着目し、caluminの機能評価を試みた。小腸の上皮細胞においてCaluminは内胚葉細胞と同様に粗面小胞体に発現していた。またCaluminヘテロマウスを用いて高脂肪食投与後の血中脂質パラメーターを観察したところ、野生型マウスと比較してヘテロマウスでは血中総コレステロールおよび中性脂質の上昇および体重の増加が抑制された。 本研究により機能未知分子のCaluminが脂質輸送に関与することが示された。これまで栄養輸送にかかわる分子の欠損マウスにおいて本研究と同様に卵黄嚢の内胚葉細胞における機能異常が認められ、同時期に胎生致死することが多数報告されている。Calumin欠損マウスは血管形成異常がみとめられたが、栄養輸送能の欠落を起因として二次的に血管形成の異常が引き起こされていることが考えられる。近年問題視されているメタボリックシンドロームや高コレステロール血症などといった生活習慣病は脂質の代謝・輸送異常と密接な関係があることが知られている。Caluminの脂質輸送機構における分子メカニズムから解明することで、これらの生活習慣病に新たな側面からアプローチできる可能性を提示できるものと考える。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] TRIC-A channels in vascular smooth muscle contribute to blood pressure maintenance2011
Author(s)
Yamazaki D, Tabara Y, Kita S, Hanada H, Komazaki S, Naitou D, Mishima A, Nishi M, Yamamura H, Yamamoto S, Kakizawa S, Miyachi H, Yamamoto S, Miyata T, Kawano Y, Kamide K, Ogihara T, Hata A, Umemura S, Soma M, Takahashi N, Imaizumi Y, Miki T, Iwamoto T, &
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Journal Title
Cell Metabolism
Volume: 14
Pages: 231-2413
DOI
Peer Reviewed
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