2010 Fiscal Year Annual Research Report
T細胞が関与する炎症応答のホスホリパーゼCεによる制御機構の解析
Project/Area Number |
22790290
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
枝松 裕紀 神戸大学, 医学研究科, 助教 (70335438)
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Keywords | サイトカイン / 乾癬 / CD4陽性細胞 / 疾患モデル動物 / 非免疫細胞 / アレルギー / ホスホリパーゼ / T細胞 |
Research Abstract |
これまでの皮膚の初代培養細胞(角化細胞と線維芽細胞)を用いた実験から、インターロイキン(IL)-17などのT細胞由来サイトカインは直接にはホスホリ・パーゼCε(PLCε)を活性化せず、サイトカイン刺激を受けたことにより細胞が分泌する可溶性因子がその受容体を介してPLCεを活性化すると考えられた。そこで、IL-17刺激を行った初代培養真皮線維芽細胞の培養上清中の可溶性分子について、抗サイトカイン抗体アレイを用いて検討した。その結果、複数のサイトカイン類の濃度が上昇していることがわかり、その中にはPLCεの上流因子であるRasを活性化することが知られているものも含まれていた。それらのサイトカイン類によるPLCεの活性化の可能性について、詳細な検討を行っている。また、卵白アルブミンを抗原に用いた気管支喘息モデルを用いた解析を行い、PLCεをノックアウトマウスでは、感作成立後のアルブミン吸入による気管支炎が抑制されることが分かった。一方、PLCεを過剰発現するトランスジェニックマウスにおける乾癬様皮膚炎の発症に、ヘルバーT細胞の増殖・安定化に関与するIL-23の角化細胞による産生が必須であることを、抗IL-23中和抗体を用いた実験で証明した。そこで、角化細胞におけるIL-23産生に関わる機構について、初代培養細胞を用いた解析を進めた。PLCε過剰発現により分泌される因子が間接的にIL-23の産生を誘導すると考えられたので、その培養上清で野生型の角化細胞を刺激し、IL-23の発現が誘導されるか、検討した。その結果、野生型細胞でもPLCε過剰発現細胞と同程度のIL-23の発現をすることが分かった。また、抗サイトカイン抗体アレイを用いた解析から、PLCε過剰発現角化細胞上清に複数の炎症性サイトカイン類が高濃度に存在することを確認した。
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Research Products
(6 results)