2010 Fiscal Year Annual Research Report
脱ユビキチン化酵素A20のマウス個体における役割の研究
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22790292
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
稲垣 舞子 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助教 (70543396)
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Keywords | 炎症 / 細胞内シグナル伝達 |
Research Abstract |
平成22年度は当初の実験計画に従い、炎症反応を負に制御する因子である脱ユビキチン化酵素A20の組織特異的ノックアウトマウスの作製を行った。まず、A20遺伝子の二番目のエクソンがloxPで挟まれているマウスES細胞由来のキメラマウスを野生型マウスに交配することにより、A20 floxedマウスを作製した。得られたA20 floxedマウスを、皮膚特異的にCreを発現するマウスであるKeratin-5 Cre (K5-Cre)マウス、および腸上皮特異的にCreを発現するマウスであるVillin-Creマウスと交配し、さらにその交配で生まれた子孫を兄弟交配することにより、予定通りA20遺伝子の皮膚特異的ノックアウトマウスおよび腸上皮特異的ノックアウトマウスを得ることができた。A20の腸上皮特異的ノックアウトマウスは目立った表現型を示さなかった。皮膚特異的ノックアウトマウスは正常に生まれてくるが、離乳後の生育が野生型と比べて悪かった。また、生後数週間で手足指に炎症を起こすことが明らかとなった。今後はマウスの経過観察をしつつ、A20を欠損させた組織をマウスから単離して組織切片を作製し、表現型を形態学的に解析する。また、免疫蛍光染色法などを用いて、組織への免疫細胞の浸潤の程度や細胞増殖などの解析を行う。それに加えて、マイクロアレイやリアルタイムPCRなどの手法を用い、野生型マウス組織との間の遺伝子発現の違いについても検討する。これらの実験結果より、炎症反応、および慢性炎症のがん化におけるA20の役割についての知見を得たいと考えている。
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Research Products
(1 results)