2011 Fiscal Year Annual Research Report
新規脂質代謝酵素群HRASLSファミリーの内因性基質の同定およびそれらの機能解析
Project/Area Number |
22790294
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
宇山 徹 香川大学, 医学部, 助教 (30457337)
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Keywords | PLA/ATファミリー / HRASLSファミリー / 脂質代謝酵素 / ホスホリパーゼA_1/A_2 / アシル転移酵素 / ペルオキシソーム / エーテル型脂質 / リン脂質 |
Research Abstract |
我々は最近、HRASLSファミリーに属する5分子(HRASLS1-5)すべてが脂質代謝酵素活性を示すことを見出し、これらをphosphohpase A/acyltransferase(PLA/AT)-1-5と名付けた。しかしながら、PLA/ATファミリーが細胞内においても酵素として機能しているか否かは明らかになっておらず、その生理機能には不明な点が多い。これより本研究では、PLA/AT-3(別名H-rev107)を安定的に過剰発現するHEK293細胞株(PLA/AT-3発現細胞)を樹立し、同分子の生理機能を細胞レベルで解析した。PLA/AT3発現細胞を[^<14>C]パルミチン酸で代謝標識し、脂質抽出物を薄層クロマトグラフィーで解析したととろ、モノアルキルジアシルグリセロールの劇的な減少が観察された。LC-MSIMSによるリン脂質の解析からはエーテル型グリセロリン脂質の著しい減少が見られた。エーテル型脂質の前駆体はペルオキシソームで合成されることから、次にPLA/AT-3発現細胞のペルオキシソーム局在タンパク質(カタラーゼおよびPMP70)の分布を検討したところ、ペルオキシソームの消失を強く示唆する結果が得られた。エーテル型脂質の減少やペルオキシソームの消失は、酵素活性をもたないPLA/AT-3のC113S変異体を発現させた細胞では見られなかった。これより、PLA/AT-3は細胞内においてリン脂質代謝酵素として機能することでペルオキシソームの細胞内含量を調節し、その結果、エーテル型脂質の生合成を制御している可能性が示唆された。
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Research Products
(16 results)