2010 Fiscal Year Annual Research Report
白血病関連転写因子AML1/Runx1の新規機能制御メカニズムの探索
Project/Area Number |
22790298
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
横田 明日美 京都府立医科大学, 助教 (00571556)
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Keywords | Runx1 / 転写因子 / 造血 / 翻訳後修飾 |
Research Abstract |
本研究課題では、Runx1のリン酸化修飾による機能制御機構について検討を行うため、Runx1のリン酸化を受ける標的部位とされる(S/T)P motifについて、runtドメイン以降に存在する9箇所を対象とし、セリン、スレオニンをアラニン(脱リン酸化状態を模倣する)、またはアスパラギン酸(リン酸化状態を模倣する)に置換するよう変異を導入したものを作製した。この変異体について、野生型Runx1に比して転写活性化能に変化がないか調べるため、造血関連遺伝子のプロモータ下にレポーター遺伝子が発現するコンストラクトを用いて、レポーターアッセイを行った。この結果、アラニン変異体は野生型Runx1と比較して転写活性化能は2.5倍程度に上昇し、アスパラギン酸変異体は2分の1程度に低下していた。このことから、Runx1の転写活性化能はリン酸化修飾によって制御されていると考えられ、リン酸化修飾による蛋白安定性の変化、共役因子との親和性の変化、細胞内局在の変化が起きている可能性が推測された。また、Western blottingでの検討により、アラニン変異体はより安定に存在している可能性が示唆されたため、^<35>S-Methionine標識を用いて蛋白半減期をより詳細に調べる予定である。 さらに、得られたアラニン変異体、アスパラギン酸変異体については、マウスES細胞へ相同組み換えによって導入するためノックインベクターに載せ換え、現在in vitroでの血球系統への分化誘導実験を行うため、マウスES細胞への導入ならびに相同組み換えクローンの選別の工程に進んでいる。
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Research Products
(1 results)