2010 Fiscal Year Annual Research Report
新規リゾリン脂質が制御する神経回路形成及び神経回路再生の分子機構の解明
Project/Area Number |
22790302
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
森 達也 独立行政法人理化学研究所, 神経成長機構研究チーム, 研究員 (70469922)
|
Keywords | 神経細胞 / 軸索ガイダンス / リゾリン脂質 |
Research Abstract |
1,Lyso-PtdGlc受容体候補遺伝子群の安定発現細胞クローンの作製 軸索伸長方向を制御する新たなリゾリン脂質Lyso-PtdGlcに対する受容体の同定を目的として、既に同定していた候補遺伝子群の安定発現HEK293細胞株の作製を試みた。受容体安定発現細胞株はLyso-PtdGlcが受容体に結合すること、あるいは受容体下流シグナルを探索する上で極めて有用なツールとなる。その結果、複数の候補受容体について安定発現細胞株を樹立した。 2,Lyso-PtdGlc受容体候補遺伝子を安定発現するニワトリ胚作製法の確立 受容体候補遺伝子がTrkA陽性神経細胞のLyso-PtdGlcに対する軸索反発応答に関与することを解析するため、Lyso-PtdGlcに反応しないTrkC陽性細胞に受容体候補遺伝子を外来的に導入し、Lyso-PtdGlcに対する軸索反発応答を獲得するかを検証する実験系の構築を試みた。まず、受容体候補遺伝子を培養TrkC陽性神経細胞にElectroporation法により導入したところ、発現効率等の問題により軸索ガイダンスアッセイを行うことが困難であった。そこで、次にニワトリ胚にIn ovo electroporation法により目的遺伝子を導入する手法の確立を試みた。はじめにコントロールとしてGFPをIn ovo electroporationにより導入する実験系を構築したが、導入後、発生が進むにつれてGFPの発現が減少した。次に、ゲノム上に外来遺伝子を挿入し安定的に発現させるため、トランスポゾンを用いた遺伝子導入法を試み、安定的に外来遺伝子を導入する実験系を確立した。この手法は今後目的とする受容体候補遺伝子の解析を行う上で重要である。
|