2012 Fiscal Year Annual Research Report
新規リゾリン脂質が制御する神経回路形成及び神経回路再生の分子機構の解明
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22790302
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
森 達也 独立行政法人理化学研究所, 神経成長機構研究チーム, 研究員 (70469922)
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Project Period (FY) |
2010-10-20 – 2013-03-31
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Keywords | 軸索ガイダンス / 成長円錐 / リゾリン脂質 / GPCR / 神経軸索 / 神経回路形成 |
Research Abstract |
Lyso-PtdGlc受容体候補遺伝子欠損神経細胞を用いた軸索ガイダンスアッセイ…東北大学との共同研究においてタンパク質分泌を指標としたアッセイ系を用いて同定した、Lyso-phosphatidyl Glucoside(Lyso-PtdGlc)受容体候補遺伝子のノックアウトマウスを外部研究機関より入手した。所属研究機関の実験動物施設において、ヘテロマウスを交配し、ホモ型ノックアウトマウスを作製した。続いて、生後直後(Pl)の野生型およびホモ型ノックアウトマウスから回収したTrkA陽性脊髄DRG神経細胞を培養し、Lyso-PtdGlcを用いた軸索ガイダンスアッセイを行った。その結果、野生型マウス由来のDRG神経細胞の軸索突起がLyso-PtdGlcの濃度勾配を避けるように反発性の応答を示したのに対し、候補受容体ノックアウトマウス由来のDRG神経細胞の軸索突起ではLyso-PtdGlcに対する反発応答が消失した。一方、Sema3A等の別の反発性軸索ガイダンス因子に対する応答は、野生型およびノックアウトマウス由来の脊髄DRG神経細胞の軸索突起の両方で認められた。以上の結果から、タンパク質分泌を指標としたアッセイ系を用いて同定したLyso-PtdGlc受容体候補遺伝子は、Lyso-PtdGlcに対する受容体として脊髄DRG神経細胞において機能しており、Lyso-PtdGlcによる軸索反発シグナルを特異的に媒介し、軸索反発応答を誘導する上で重要であることが示唆された。
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