2011 Fiscal Year Annual Research Report
サイトカインネットワーク制御におけるNrf2の役割の解明
Project/Area Number |
22790304
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
三村 純正 弘前大学, 大学院・医学研究科, 講師 (60344884)
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Keywords | 分子病態学 / 酸化ストレス / 免疫応答 / 神経栄養因子 |
Research Abstract |
NGFは神経栄養因子であると同時に,炎症性サイトカインとしても働く.我々はグリオーマ細胞においてNGF遺伝子の発現に酸化ストレス応答性の転写因子であるNrf2が関わっていることを見出した.免疫応答時のNGF誘導における酸化ストレスあるいはNrf2の関わりを解明するために,23年度において以下のことが明らかとなった. T98Gおよび,U373MG細胞においてカルノシン酸によるNGFの誘導的発現にNrf2が関わっていることが明らかとなった.また,IL-1βやTNFαといった炎症性サイトカインによるNGFの誘導において,カルノシン酸と共処理することにより,より多くの誘導が見られたことから,炎症性サイトカインとNrf2経路によるNGF誘導における協調作用があることが明らかとなった.一方,T98G細胞においてはNrf2がNGF遺伝子の構成的発現に関わっていることも明らかとなった.しかしながら,マクロファージ系(RAW264.7,THP1細胞)ではカルノシン酸によるNGF誘導は見られず,Nrf2の関わりは不明のままである. また,NGF遺伝子上のNrf2応答領域を検索したところ,NGF遺伝子プロモーターより88kb上流の領域にNrf2応答配列が存在することが明らかとなった.この領域を用いたレポーター解析,あるいはChlP解析により確かにこの領域がNrf2を介したNGFの誘導に重要であることが判明した. これまで,ラジカル補足剤であるエダラボンがNGFを誘導することが分かっていたが,このエダラボンとカルノシン酸がNrf2依存的に協調してNGFを誘導することも明らかとなった. 以上のことから,内在性のNrf2の活性を制御することによりNGFの発現を制御し,神経変性疾患や,炎症性疾患に対する有効な治療法,予防法の開発に繋がることが示唆される.
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Edaravone and carnosic acid synergistically enhance the expression of nerve growth factor in human astrocytes under hypoxia/reoxygenation2011
Author(s)
Yoshida H, Mimura J, Imaizumi T, Matsumiya T, Ishikawa A, Metoki N, Tanji K, Ota K, Hayakari R, Kosaka K, Itoh K, Satoh K
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Journal Title
Neuroscience Research
Volume: 69
Pages: 291-298
DOI
Peer Reviewed
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