2011 Fiscal Year Annual Research Report
Skp2-p27ダブルノックアウトマウスを用いた腎障害進行機構の解明
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22790310
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
鈴木 小由里 浜松医科大学, 医学部, 特任研究員 (80568949)
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Keywords | 細胞増殖 / タンパク分解 / 腎障害 / p27 / Skp2 / Cks1 |
Research Abstract |
1.p21はSkp2のターゲットであり、p21ノックアウトマウスUUO腎では間質細胞の増殖が亢進すると報告されている。Skp2ノックアウトマウスUUO腎でのp21の発現量を比較したところ、p21のタンパクレベルの増加はわずかであった。また、他のSkp2のターゲットも同様に調べたところ、WT UUO腎と比較してp57、p130、TOB1、cyclinA、CyclinD1はSkp2ノックアウトマウスUUO腎で増加せず、c-Myc、b-Myb、cyclinEはわずかに増加したものの、どれもp27ほど増加しなかった。これにより、腎障害ではp27がSkp2のメインターゲットであることが確認された。 2.Skp2ノックアウトマウスUUO腎でのp27の蓄積による尿細管上皮細胞数の増加抑制および尿細管拡張の抑制はSkp2-p27ノックアウトマウスUUO腎において解除され、再び増加傾向を示した。また、Skp2-p27およびp27ノックアウトマウスUUO腎では尿細管上皮細数と尿細管拡張がWT UUO腎と比較してさらに増加していた。これらの結果によりp27が尿細管上皮細胞の制御に深く関与することが示唆された。 3.Skp2ノックアウトマウスUUO腎では腎線維化が抑制される。これに比べ、Skp2-p27ノックアウトマウスUUO腎では間質領域が増加し、また免疫染色法によりαSMAとVimentinが増加し腎線維化の進行が確認され、またマクロファージの浸潤も増加していた。さらに、COL1、αSMA、Vimentinおよびマクロファージの指標であるF4/80のmRNAレベルも同様にが増加していた。これらのことから、腎障害に伴う線維化および炎症がSkp2-p27ノックアウトマウスUUO腎で亢進することが確認され、Skp2-p27の制御が腎障害の線維化にも影響していることが示唆された。
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Research Products
(4 results)