2010 Fiscal Year Annual Research Report
緑内障関連染色体領域の遺伝子発現調節機構に対するSNPの影響の解析
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22790324
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
中野 正和 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (70381944)
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Keywords | 分子病態学 / 遺伝子発現調節 / ゲノムワイド関連解析 / 緑内障 / SNP / 第2世代シーケンサー |
Research Abstract |
我々は、日本人検体を用いたゲノムワイド関連解析によって緑内障に関連するヒト染色体上の3領域を世界に先駆けて同定している。しかし、いずれの領域も数十kb以内の近傍に遺伝子の存在しないいわゆる「遺伝子砂漠領域」であった。本研究では、これらの領域内のDNA配列による領域外の遺伝子発現を遠隔調節する何らかの制御機構が潜在している可能性が高いと考え、当該領域を多角的に精査することによって緑内障の発症機序を解明することを最終目的とする。そこで本年度はまず、当該領域内に新規転写産物が存在する可能性を検証するために、クロンテック社より購入したヒト網膜由来のtotal RNAを用いて、アフィメトリクス社のタイリングアレイによりヒト網膜におけるトランスクリプトームデータを取得した。しかし、いずれの遺伝子砂漠領域においても新規転写産物の存在を示唆する有意なシグナルを検出することはできなかった。そこで今後は、ヒト網膜のtotal RNAから逆転写したcDNAから当該領域だけをPCRで濃縮した後に第2世代シーケンサーによるRNA-Seqを実施することで、3領域に的を絞ったより高解像度な転写産物シグナルを取得し、新規転写産物の有無を評価したいと考えている。 一方、本年度には我々以外のグループからも緑内障のゲノムワイド関連解析の結果がいくつか報告され始め、いずれの報告も我々の結果とは異なる染色体領域を提示している。これは、使用した検体の人種や数、病型等々の解析条件が異なることに起因することが推察される。これらの結果を受けて、我々が同定した緑内障関連染色体領域の再現性を検討するために、以前用いた検体とは独立したより多数のケース・コントロール集団について、アフィメトリクス社のSNP6.0による高密度なゲノムワイド関連解析を実施するためのジェノタイピングデータの取得にも着手した。
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Research Products
(5 results)