2011 Fiscal Year Annual Research Report
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22790330
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Research Institution | 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所) |
Principal Investigator |
萬谷 啓子 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (70415496)
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Keywords | アルツハイマー病 / 糖転移酵素 / APP / bisecting GlcNAc |
Research Abstract |
本研究では、APP代謝と糖鎖の関連の解明および、アルツハイマー病の新たな治療・予防法への応用を目的としている。これまでに、家族性ADで見られる家族性変異型APP、および正常型APPのN型糖鎖の構造解析により変異型APPではbisecting GlcNAc構造を持つ糖鎖が顕著に増加していることを明らかにしている。また、アルツハイマー病患者脳でbisecting GlcNAcを合成する糖転移酵素GnT-IIIのmRNAの発現が増加していた。そこで、bisecting GlcNAcを合成する糖転移酵素GnT-IIIとAPP代謝との関連について検討したところ、GnT-IIIによるセクレターゼを介したAβ産生抑制作用があることを明らかになっており、治療への応用が考えられた。本年度は昨年度に引き続き、GnT-IIIの発現を誘導する化合物の探索を試みた。Neuro2a細胞(マウス神経芽細胞腫)にさまざまな天然化合物を添加し、GnT-III mRNAの発現量をリアルタイムPCR法により解析した。また、昨年度の検索においてGnT-IIIの発現増加作用をもつことが示唆されたクルクミンについて、構造異性体による効果の違いなどについて解析を行った。これらの成果はアルツハイマー病の新たな予防および治療法開発への応用が期待できる。また、アルツハイマー病脳で発現の変化が見られる糖鎖関連遺伝子をクローニングし、強制発現株を作製するなどアルツハイマー病における糖鎖の役割を明らかにするための実験を進めた。
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