2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22790340
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
鈴木 潮人 金沢大学, 医学系, 准教授 (40334859)
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Keywords | 病理学 / 癌 / シグナル伝達 / 血管新生 / EGFR |
Research Abstract |
本年度は,肺癌におけるEGFR (epidermal growth factor receptor)蛋白の過剰発現,EGFR遺伝子増幅,遺伝子変異の検索に取り組んだ. 1.肺癌におけるEGFR蛋白過剰発現の免疫染色による検索 158例の肺癌のホルマリン固定・パラフィン包埋組織で抗EGFR抗体を用いて免疫組織化学を行い,癌細胞における膜性の染色強度について0から3+の4段階で評価し,2+と3+を過剰発現ありと判定した.EGFRの過剰発現は38.6%の症例にみられた. 2.FISH (fluorescence in situ hybridization)法によるEGFR遺伝子増幅の検索 EGFR過剰発現陽性の7例を選択して,EGFR(7p12)と染色体7セントロメアを認識する2色プローブを用いで2色FISH法を行ったところ,2例において遺伝子増幅がみられた. 3.EGFR遺伝子変異の検索 肺癌凍結標本からDNAを抽出し,ABI BigDye Terminator kit v3.1 (Applied Biosystems)を用いて,EGFR遺伝子のexon 18-21のダイレクトシークエンスを行ったところ,38.0%の例においてEGFR遺伝子変異がみられた. 上記の結果を検討すると,EGFR遺伝子増幅を示す症例においてもEGFR遺伝子変異がみられることが明らかとなった.来年度は,EGFR蛋白過剰発現を示す全例について遺伝子増幅の検索を行い,遺伝子増幅と遺伝子変異の相関の解明に取り掛かる予定である.
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