2010 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロRNAを用いた胃腸管間質腫瘍の発育・進展に関する研究
Project/Area Number |
22790346
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山元 英崇 九州大学, 大学病院, 助教 (30404073)
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Keywords | 胃腸管間質腫瘍 / GIST / マイクロRNA / KIT / PDGFRA |
Research Abstract |
胃腸管間質腫瘍(GIST)に関し、より詳細に腫瘍発生・進展の分子メカニズムを解明するために、マイクロRNA(miRNA)の発現を研究した。対象は、良性から悪性まで含むGIST19例と、組織形態的に類似している平滑筋肉腫1例で、新鮮凍結材料からRNAを抽出し、miRNAチップを用いてハイブリダイズさせ、網羅的に各サンプルにおけるmiRNAの発現量のデータを得た。これを用いて、まずunsupervised analysis(サンプルを遺伝子(miRNA)発現パターンの類似性により分類する方法)を行った結果、GIST19例は比較的均一なmiRNA発現パターンを示しつつも、おおまかに6つのmiRNA発現プロファイルのグループに分けることができた。それらは、低悪性度・KIT/PDGFRA変異陰性群、高悪性度のKITexon9またはexon11変異群、低悪性度のKITexon11変異群、など特徴を共有する群に分けることができた。しかし、属する症例数が少ない群(1-2例)では特徴づけが難しい場合もあった。次に、supervised analysis(既知の臨床病理学的因子等により分類された2群の間で、有意に発現量に差がある遺伝子(miRNA)を抽出する方法)を行い、発現量に差があるmiRNAは、GIST vs平滑筋肉腫では高発現73個、低発現17個であった。また、GIST19例のうち、8個の各因子(NFI合併、部位、腫瘍径、核分裂数、NIHリスク分類、AFIPリスク分類、Ki-67陽性率、KIT/PDGFRA変異型)により2群に分けた場合、それぞれ発現量の差があるmiRNAは数個から数十個であり、GISTの発生・進展に関与と考えられる候補miRNAがリストアップされた。
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Research Products
(2 results)