2010 Fiscal Year Annual Research Report
甲状腺未分化癌におけるPodocalyxinとEMTの役割と治療応用に関する解析
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22790352
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
児玉 理恵子 和歌山県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (20336887)
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Keywords | 癌 / 病理学 |
Research Abstract |
甲状腺乳頭癌におけるPodocalyxin(PODXL)とEMTとの関連を検討する為、甲状腺乳頭癌由来培養細胞株K1,ONCO-DG1に、レトロウイルスベクターを用いてPODXL強制発現細胞を作成したところ、E-cadherin発現、vimentin発現に変動は無く、EMTとの関連は認められなかった。 種々の甲状腺腫瘍でPODXL発現を検討した結果では、甲状腺未分化癌のみでPODXL発現が認められることより、PODXLが甲状腺腫瘍の悪性度・悪性化に関連する可能性を考え、PODXL強制発現K1,ONCO-DG1細胞を用いて、増殖能の変化、細胞浸潤・移動能の変化を検討した。PODXLによる細胞増殖能の変動を検討するため、MTS assayを行ったところ、PODXL強制発現細胞での増殖能変化は認められなかった。細胞浸潤能・移動能の変化を検討するため、Matrigelコートのチャンバースライド、およびFibronectinコートのチャンバースライドを用いて、fetal bovine serumをchemoattractantとして、invasion assay (Matrigel)、およびmigration assay (Fibronectin)を行った。PODXL強制発現K1細胞では、細胞浸潤能、および細胞移動能のいずれも亢進が認められた。PODXL強制発現ONCO-DG1細胞では、細胞移動能の亢進が認められた。細胞移動能亢進につき、ファロイジン染色を行い、filopodia細胞数の変化を検討したところ、PODXL強制発現ONCO-DG1細胞ではfilopodia細胞数は4倍程度増加することが示された。PODXL強制発現K1細胞では、filopodia細胞の増加傾向が認められたが、統計学的に有意なfilopodia細胞数の増加は認められなかった。filopodia細胞数の増加につき、Ezrinの567スレオニン残基でのリン酸化亢進が認められた。PODXL強制発現K1細胞では、Ezrinの567スレオニン残基でのリン酸化亢進は認められなかった。
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