2010 Fiscal Year Annual Research Report
小児急性骨髄性白血病におけるMLL遺伝子縦列部分重複の機能解析と分子標的治療
Project/Area Number |
22790355
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
林 睦 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (60327575)
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Keywords | 病理学 / 癌 / 遺伝子 / 白血病 |
Research Abstract |
われわれは、本研究室で確立したMLL遺伝子縦列部分重複(MLL-PTD)を有する小児急性骨髄性白血病細胞株KOPM-88を利用し、MLL-PTD遺伝子の発現解析を行い、MLL-PTDの白血病細胞増殖・浸潤に関与する分子機構を解析してきた。さらに、小児造血器腫瘍に対する新規分子標的治療の候補を研究する目的で、当研究室において開発した分子標的治療薬である抗CD26ヒト化モノクローナル抗体の増殖抑制効果を検討している。 (1)KOPM-88におけるMLL-PTD遺伝子及び野生型MLL遺伝子の発現解析 KOPM-88細胞のMLL-PTD遺伝子の塩基配列から特異的プライマーを作成し、定量PCR法により解析を行っている。同様に野生型MLL遺伝子の発現についても解析し、野生型肌L遺伝子のサイレンシングの有無について検討中である。 (2)KOPM-88細胞増殖の分子機構におけるMLL-PTD蛋白の機能解析 ML-PTD過剰発現系として、KOPM-88細胞からmRNAを得てMLL-PTDcDNAを作成、発現ベクターに組み込みKOPM-88細胞に導入を行い、そのタンパク発現量につき解析を行っている。また、MLL-PTD発現抑制系としてMLL-PTD遺伝子特異的si-RNAを設計・導入し、そのタンパク発現量の変化について解析を行っている。 (3)抗CD26ヒト化モノクローナル抗体の造血器悪性腫瘍に対する増殖抑制効果の検討 当教室が保有する造血器悪性腫瘍細胞株について、フローサイトメトリー法によりCD26分子の発現を検討したところ、Karpas299,HSB-2,CEM,MOLT3,NKL細胞でCD26分子陽性が確認された。これら細胞株について、抗CD26ヒト化モノクローナル抗体の増殖抑制効果をMTTアッセイ法により検討中である。
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