2010 Fiscal Year Annual Research Report
塩基除去修復酵素の変異型の発がんへの関与とエテノアダクトに対する修復活性の検討
Project/Area Number |
22790378
|
Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
後藤 正憲 浜松医科大学, 医学部, 特任研究員 (00432203)
|
Keywords | 塩基除去修復遺伝子 / 活性酸素種 / 過酸化脂質 / エテノアダクト / MUTYH / 大腸がん / 8-ヒドロキシグアニン |
Research Abstract |
1)塩基除去修復酵素MUTYHは酸化的DNA付加体、8-ヒドロキシグアニンと対合したアデニンをDNA中から除去する働きを持っている。我々はMUTYH2型(核局在型)の組み換えタンパク質において高い純度での精製分離に成功し、14種の変異型タンパク質と野生型タンパク質の修復活性を比較した。この研究の中で野生型に比べ変異型p.I195V、p.G368D、p.M255V、p.Y151Cは弱い、あるいは中程度の活性の低下を示し、p.R154H、p.L360P、p.P377L、p.452delE、p.R69X、p.Q310Xはネガティブコントロールp.D208Nと同様にかなりの活性の低下を示した。これらの結果は正確なMUTYH関連ポリポーシスの評価やMUTYHの修復機構を知る上で有用なものと考えられる(Hum Mutat, 31 : E1861-74, 2010)。また我々はこれらの変異型おけるMUTYHタンパク質の局在への影響を調べるため、免疫蛍光染色を行った。核局在シグナルが欠損しているp.R69X、p.Q310Xは細胞全体に局在を示したが、その他の変異型は野生型と同様に核への局在を示した。2)塩基除去修復酵素の新たな基質を検索するため、我々は8種の組み換えタンパク質、OGG1、MUTYH、NTH1、NEIL1、SMUG1、UNG2、MPG、TDGを準備した。現在、ヒト組織の中で検出された過酸化脂質DNA付加体に対して、上記の塩基除去修復酵素における修復活性の検討を行っている。
|