2010 Fiscal Year Annual Research Report
肝臓の胆管をモデルとした上皮組織構造の形成メカニズムの解明
Project/Area Number |
22790386
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
谷水 直樹 札幌医科大学, 医学部, 講師 (00333386)
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Keywords | 組織形成 / 肝臓 / 胆管 / 3次元培養 / 上皮細胞 |
Research Abstract |
肺、肝臓、腎臓、膵臓などの臓器がそれぞれの機能を十分に発揮するためには、Apical-Basal軸に沿った細胞極性を持った上皮細胞が、さらに高次な組織構造を形成することが必要である。しかしながら、組織形成を制御するメカニズムについては未だ不明な点が多い。本研究は、肝臓の胆管を上皮細胞が形成する組織構造のモデルとして用い、胆管上皮細胞特異的に発現している分子を新たに同定しその機能を解析することで、組織形成を制御するメカニズムについて分子レベルで明らかにすることを目的としている。本年度の研究では、胆管特異的な転写因子としてGrh12を同定し、胆管形成過程をin vitroにおいて再現した肝前駆細胞株の3次元培養系を用いて、その機能解析を行った。 肝前駆細胞株HPPLの3次元培養では、細胞が胆管上皮細胞として構造的・機能的に分化し、中央に管腔構造を持つCystを形成する。管腔形成は3日後から観察でき、一週間後にはほぼ一定の大きさとなるが、転写因子Grh12を過剰発現させた場合に、管腔サイズが拡張することから、Grh12が管腔形成に関与していることが示唆された。一方、2次元培養において、Grh12を過剰発現させた細胞では、上皮細胞のバリア機能が亢進していることも明らかになった。そこで、Grh12による管腔形成の制御や上皮バリア機能の亢進に関わる標的遺伝子を同定するために、現在、コントロールの細胞とGrh12を過剰発現させた細胞の遺伝子発現をマイクロアレイで比較し、Grh12の標的遺伝子の候補の同定を試みている。
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Research Products
(6 results)