2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22790387
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
新屋 政春 京都府立医科大学, 医学部, プロジェクト研究員 (10405277)
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Keywords | p53 / ウイルス感染 |
Research Abstract |
p53がウイルス感染防御に関与していることを明らかにした。さらに、その分子機構を検討したところ、p53により誘導されるFbw7βが必須であった。Fbw7βは、p53依存性の発ガン抑制に重要であることは良く知られているが、ウイルス感染防御における役割については、現時点では不明な点が多い。 本研究の目的は、Fbw7βにより誘導される、ウイルス感染防御の機構の解明と、その分子基盤を明らかにすることである。 Fbw7には3つのアイソフォームが存在する。そこで、Fbw7により誘導される抗ウイルス作用が、Fbw7βだけが有する機構か否について検討するため、Fbw7の各アイソフォームの発現ベクターをFbw7機能欠損細胞に導入し、種々のDNA(HSV-1)、RNAウイルス(VSV)を感染させた後、細胞増殖能および、細胞内でのウイルスの増幅能を解析した。 Fbw7βを遺伝子導入した細胞では、ウイルス感染により誘導される細胞死がほとんど認められなかった。細胞内でのウイルス増幅は遺伝子レベル、タンパクレベルの両方で抑制されていた。また、他のアイソフォームではFbw7βに比べて、抗ウイルス効果は減弱していた。Fbw7により誘導されるウイルス増幅の抑制は、ウイルス核酸の種類に関係なく認められ、Fbw7βがもっとも強いことが示された。
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