2011 Fiscal Year Annual Research Report
ケモカインを分子標的とした炎症性骨関節疾患の新規治療法開発に向けた基礎研究
Project/Area Number |
22790388
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
乾 匡範 東北大学, 加齢医学研究所, 講師 (80443985)
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Keywords | 関節炎 / 骨破壊 / ケモカイン / 破骨細胞 |
Research Abstract |
炎症滑膜組織には炎症性サイトカインやケモカインの発現亢進が認められているが,その役割については依然不明な点が多い.本研究では,関節リウマチなど炎症性骨関節疾患の発症ならびに骨破壊機序を明らかにすることを目的とし,誘導性関節炎マウスモデルを用いて関節炎の病態形成および破骨細胞分化・活性化におけるケモカイン-ケモカインレセプターの役割を検討した. まず,破骨細胞分化におけるMIP-1αの役割を明らかにするため,骨髄細胞をMIP-1αの存在,非存在下においてin vitro破骨細胞誘導を試みた.その結果,MIP-1αの濃度依存的に破骨細胞分化が亢進することが明らかとなった.一方,MIP-1αの中称抗体による阻害実験を行ったところ,破骨細胞分化は著しく抑制された.さらに,CCR1およびMIP-1α遺伝子欠損マウスから誘導される破骨細胞分化能は,野生型マウスと比較して有意に減少していた.MIP-1αの投与により観察された破骨細胞分化の亢進は,CCRI遺伝子欠損マウスでは認められなかった.これらの結果より,MIP-1α-CCR1を介するシグナルは破骨細胞分化を正に制御していることが明らかになった.このように,MIP-1α-CCR1は破骨細胞分化を制御し,炎症性関節疾患における骨破壊に重要や役割を果たしていることが示唆された.本研究のさらなる追究は,炎症性骨関節疾患の発症機序の解明,さらにはケモカインを分子標的とした新規治療薬の開発に繋がることが期待できる
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Research Products
(4 results)