2011 Fiscal Year Annual Research Report
ADPーリボシル化毒素 Cholix の毒性発現制御
Project/Area Number |
22790401
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
八尋 錦之助 千葉大学, 大学院・医学研究院, 特任准教授 (80345024)
|
Keywords | ADP-リボシル化毒素 / アポトーシス / 受容体 |
Research Abstract |
本年度は、コレラ菌の産生する新規ADP-リボシル化毒素Cholix toxin.(以下、Cholix)による細胞致死メカニズムを明らかにした。 Cholixに依る細胞死はHeLa細胞に対してカスパーゼ依存性の細胞死を誘導するのに対し、腸管由来細胞HCT116, Caco-2, RK0に対してはカスパーゼ非依存性の細胞死を誘導した。HeLa細胞における細胞死は、Bcl2ファミリーであるBax/Bakの構造変化を伴う、チトクロームcの放出を誘導し、カスパーゼ-7の活性化を誘導したが、カスパーゼ-3,-9は活性化しなかった。一方、カスパーゼ-8阻害剤処理で、毒素によるチトクロームcの放出、カスパーゼ-3,-7,-9の活性化は抑制されたが、細胞死は減少しなかった。更に、炎症性カスパーゼ(カスパーゼ-1,-4,-5)の阻害剤処理は、細胞致死活性阻害、チトクロームcの放出阻害、カスパーゼ-3,-7,-8,-9を抑制したことから、この炎症性カスパーゼの活性化が引き金となり、ミトコンドリア依存性、非依存性のアポトーシスシグナルを引き起こし、細胞死に至ることが明らかとなった。 更に、個体レベルでのCholixによる病態を明らかにするため、マウスを用いて評価を行った。結果、Cholixの腹腔内投与によりマウスは致死に至った。しかし、下痢等の症状は認められず、肝障害が顕著に認められた。現在、この障害発現メカニズムを解析中である。
|
Research Products
(4 results)