2010 Fiscal Year Annual Research Report
黄色ブドウ球菌が産生する表皮細胞分化抑制因子EDINに関する研究
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22790408
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
久恒 順三 広島大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (40513180)
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Keywords | EDIN / 表皮剥脱 / ADPリボシル化 / Dsg1 / 組織移向 |
Research Abstract |
黄色ブドウ球菌が産生する表皮剥脱毒素(ET)、並びに、表皮細胞分化抑制因子(EDIN)の皮膚疾患病態形成との関わりを解析する為に、申請書の計画に基づいて、EDIN及びETを6XHis標識した組換えタンパク質として大腸菌BL21株で大量発現させ、Ni-NTA樹脂を用いて精製した。その結果、両者とも1L培養液から約2 mgの精製タンパク質を得る事が出来た。次に、精製ETを生後2日目の新生児ICRマウスの腹腔内に投与した。投与2時間後、全身の表皮剥脱が認められ、精製ETの生物活性を確認できた。一方、精製したEDINの活性について、培養細胞を用いて、EDINによる低分子量GTPaseであるRhoAのADPリボシル化を測定した。その結果、精製EDINの添加量に依存してADPリボシル化RhoAが増大していた。また、新生児マウスを用いて、精製EDIN投与により表皮組織の過形成を確認できた。次に、ETをマウスに投与した時に全身に拡散するのにEDINが影響しているか否かを検討した。新生児マウスから皮膚組織を剥離し、上層ウェルに装着して、上層と下層に培養液で浸したトランスウェルを作製した。上層ウェルの培養液に精製EDINを添加、または、未添加で細胞を一定時間前処理し、その後、ETを添加して時間経過毎に下層の培養液を回収した。移行してきた精製ETをウエスタンブロッティングにより解析した。その結果、いずれの時間においてもETのバンドが検出され、下層の培養液に移行していた。これは皮膚組織を装着する時に、皮膚がずれて隙間が出来て上下の培養液の区分けが出来ていなかったことが原因と考えられた。現在、剥離した皮膚組織のトランスウェルへの装着方法を改善して検討中である。また、新生児マウス由来の表皮ケラチノサイトを用いてET拡散実験を検討する。
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