2011 Fiscal Year Annual Research Report
宿主共生におけるヒト腸管常在菌バクテロイデスの莢膜相変異の役割
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22790409
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
中山 治之 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (80294669)
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Keywords | Bacteroides fragilis / 莢膜 / 相変異 / 腸管共生 / DNA逆位 |
Research Abstract |
1.Bacteroides fragilis YCH46株のゲノム上にはDNA逆位によってON/OFF制御される計7箇所の莢膜生合成遺伝子領域が存在する。各locusの発現パターンは、理論的には2^7=128通りの組み合わせパターンが存在するにも関わらず、in vitroの培養系ではPS3領域のプロモーターのみがONになるクローンが全体の12%も占める。そこで、当菌株内で優先的に発現されると考えられるPS3に対する宿主腸管免疫系の反応を検討した。Balb/c無菌マウスにB.fragilis野生株あるいはPS3欠失株をそれぞれ1ヶ月間単独定着させた後、小腸・大腸粘膜固有層のリンパ球を単離し、CD4^+細胞のIFN-γ、IL-17、IL-10、IL-4の発現をフローサイトメーターで解析した。その結果、小腸粘膜固有層ではCD4^+IFN-γ^+細胞CD4^+IL-17^+細胞CD4^+IL-10^+細胞については、両菌株間で差は認められなかったが、CD4^+IL-4^+細胞数は野生株定着マウスと比べてPS3欠失株定着マウスで約1/4に減少していたまた、大腸粘膜固有層におけるCD4^+IL-4^+細胞数もPS3欠失株定着マウスで減少する傾向が認められた。さらに、小腸粘膜固有層におけるCD8α細胞が野生株定着マウスと比べてPS3欠失株定着マウスで約4倍増加していた。 2.Balb/c無菌マウスにB.fragilis野生株あるいはPS3欠失株をそれぞれ1ヶ月間単独定着させた後、小腸上皮細胞間リンパ球を単離し、CD8αα細胞数をフローサイトメーターで解析した。その結果、野生殊定着マウスとPS3欠失株定着マウス間でCD8αα細胞の量的変動は認められなかった。
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Research Products
(4 results)