2011 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト型マウスを用いた実験的劇症型G群レンサ球菌感染モデルの構築
Project/Area Number |
22790412
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
吉田 春乃 北里大学, 北里生命科学研究所, 助手 (70563386)
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Keywords | CD46 / トランスジェニック / レンサ球菌 / 劇症型 / SDSE |
Research Abstract |
【研究の目的】 従来殆ど病原性を発揮しないと言われていたが、最近、壊死性筋膜炎や劇症型レンサ球菌毒素性ショック症候群患者の増加が報告されているStreptococcus dysgalactiae subsp.equisimilis(SDSE)について、以下の研究を行う。 1,ヒトCD46Tgマウスを用いたG群レンサ球菌感染モデルを確立。患者由来の強毒株を用いて感染実験を行い、病態の観察及びそのメカニズムを解明する。2,A群レンサ球菌(GAS)感染モデルの病態と比較検討する。3,SDSEとGASの感染モデルの病態の違いを菌のゲノム構造の違いから類推する。 【研究結果】 侵襲性SDSEのRE378株をTgマウスのfootpadに1x10^7CFU投与したところ、致死率は低いものの、脚の関節炎が4週間後に観察された。これに対してWTのC57BL/6Jマウスでは、関節炎は起こらなかった。感染3日後以降で投与菌はTgおよびWTマウスとも、膝下リンパ節・脾臓・肝臓・腎臓から検出されなかった。感染4週間後のTgマウスの足の骨の組織化学から、pannus(破骨細胞の活性化による滑膜の炎症と、肉芽組織の形成)が認められた。また、足骨からRNAを調製し、定量リアルタイムRT-PCRを行ったところ、破骨細胞の活性化に係わるRANKLや、炎症性サイトカイン(IL-1β,TNFα)の発現が感染2週以降で認められた。以上の結果よりTgマウスへのSDSE感染では、菌が検出されなくなっても感染局所に慢性炎症を引き起こし、病態を惹起すると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画のうち、SDSEをhCD46Tgマウスに感染させた場合の病態観察及び病理学的解析は終了し、GAS感染モデルとの比較を行った。結果、SDSE感染マウスに特徴的な病態が高い再現性で観察された。また、免疫化学的解析によって宿主側因子の関連を発見、分子生物学的に遺伝子発現量を定量し、病態との関連を検討中である。 ゲノム解析については、現在進行中である。
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Strategy for Future Research Activity |
hCD46Tgマウスを用いたSDSE感染モデルでは、致死率は低いものの感染局所の関節部に炎症が認められた。この関節炎の発症がSDSE感染により、どのようなメカニズムで引き起こされるのかを解明する。 また、引き続きSDSEの全ゲノム配列の解析を続け、GASと比較することによって、両モデルマウスの病態の違いとの関連を検討する。
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