2010 Fiscal Year Annual Research Report
ペリプラズム酸化還元酵素によるサルモネラ属細菌の病原性発現に関する研究
Project/Area Number |
22790414
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
三木 剛志 北里大学, 薬学部, 助教 (40398582)
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Keywords | サルモネラ / 酸化還元酵素 / DsbA / 病原性 |
Research Abstract |
Salmonella enterica serovar Typhimurium LT2株のDsbAアミノ酸配列を検索配列として、本菌のゲノム配列に対してBLAST相同性検索を行った。その結果、7つの相同体を同定し、さらに、それらの中からDsbAの酵素活性に必須である活性配列(C-X-X-C)を保持しているか否かを調べたところ、6つのDsbA相同体を見いだした。申請者はそれらのDsbA相同体とDsbAとの整列配列比較およびPSI-PREDを用いた二次構造予測により2つのDsbA相同体(相同体AとB)に絞り、以下の解析を進めた。まず、病原株であるS.Typhimurium SL1344株の染色体よりPCR法を用いて、それぞれの相同体をコードする遺伝子をクローニングした。DNAシークエンスにより、フレームのシフトや終止コドンの挿入が無いことを確認し、発現ベクターにサブクローニングした後、大腸菌およびサルモネラ菌体内で発現することを確認した。次に、同定したDsbA相同体がDsbA酵素活性を保持するか否かを調べるために、DsbA依存性の3つの表現型:(1)鞭毛を介した運動、(2)外膜構造維持による還元剤に対する抵抗性、(3)一般的な基質として認識されているアルカリフォスファターゼの折り畳み、について、それぞれのDsbA相同体が関与するかを調べることにより評価した。大腸菌は1コピーのDsbAしか保持していないことから、大腸菌のDsbA変異株にそれぞれの発現ベクターを導入し、DsbA依存性の表現型が相補するか否かを調べた結果、相同体Aを発現するベクターを導入した大腸菌において、全ての表現型が回復した。これらの結果より、相同体Aは新規DsbAパラログであることが示唆された。現在、免疫沈降法およびLC-MS/MSを用いた手法による相同体Aの標的タンパク質の同定を試みている。
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[Journal Article] The Chromobacterium violaceum type III effector CopE, a guanine nucleotide exchange factor for Rac1 and Cdc42, is involved in bacterial invasion of epithelial cells and pathogenesis2011
Author(s)
Miki, T., Akiba, K., Iguchi, M., Danbara, H., Okada, N.
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Journal Title
Molecular Microbiotogy
Volume: (未定 印刷中)
Peer Reviewed