2011 Fiscal Year Annual Research Report
shiga toxinの強毒性発現に関わる部位に対する特異的プローブの開発
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22790418
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
高橋 美帆 同志社大学, 生命医科学部, 助教 (00446569)
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Keywords | 感染症 |
Research Abstract |
1)多価型ペプチドライブラリーのシート合成技術の確立 シート上に4価ペプチドを合成する系を確立した。セルロースシート上のアミノ基に2価のアミノ基を有する化合物(2価ペプチド合成核構造)を結合させ、得られた2価アミノ基にさらに2価ペプチド合成核構造を結合させ、4価の核構造を得た。次に4価ペプチドの合成密度、基盤となるセルロースからのスペーサー長について最適化を行った。その結果ペプチド合成密度については理論上、シート上全てのアミノ基に4価ペプチド核構造を結合させること、またスペーサーの長さは炭素6個分が最適条件であることがわかった。 2)Stx1のサイト2特異的プローブの開発 1)より確立した多価型ペプチドシート合成技術を用い、Stx1のサイト2特異的結合モチーフの同定を試みた。すでに多価型ペプチドライブラリー法によりStx1への結合に必要なモチーフ(X1-X2-X3-Arg-Arg-Arg-Arg)を決定している。またX1,X2はX3に比べ特異性発揮に関する寄与が低いことを見出していることから、(Ala-X2-X3-Arg-Arg-Arg-Arg)あるいは(X1-Ala-X3-Arg-Arg-Arg-Arg)を基本配列とし、XにはCys以外の19種類のアミノ酸を用い、各々19×19=361種類のアミノ酸配列をシート上にスポット合成した。得られたシートは、I125標識Stx1BあるいはI125標識G62A Bサブユニット(サイト2変異体)との結合活性を検討した。その結果、I125標識Stx1Bサブユニットに特異的結合するアミノ酸配列64種類を選定した。次に64種類のアミノ酸配列をシート上にスポット合成し同様の検討を行い、最終的に11種類の候補ペプチドを同定することに成功した。現在同定されたペプチドについて、多価型ペプチドライブラリーの核構造に導入し4価ペプチドを合成中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、多価型ペプチドシート合成技術を用いて、Stx1のサイト2特異的に結合するアミノ酸配列を11種類同定することができたため、当該年度の目標は達成された。
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Strategy for Future Research Activity |
候補となるペプチドモチーフを多価型ペプチドライブラリーの核構造に導入し、4価ペプチドを合成する。合成できたものから、各4価ペプチドのStx1に対する毒性阻害効果の検討、Stx1サイト2特異的結合活性の検討を行う。また、平行して同定された4価ペプチドは蛍光標識Stx1の細胞内輸送におけるペプチドの影響についても検討する。
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