2010 Fiscal Year Annual Research Report
肺炎クラミジアエフェクター分子の同定と宿主細胞における機能解析
Project/Area Number |
22790419
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
簗取 いずみ 川崎医科大学, 医学部, 助教 (40454847)
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Keywords | 肺炎クラミジア / エフェクター / III型分泌装置 |
Research Abstract |
本研究では、偏性細胞内寄生性細菌であるC.pneumoniaeの感染戦略を明らかにし、C.pneumoniaeに対する新たな治療法および予防法を開発することを目的に、C.pneumoniaeエフェクター分子の同定、ならびにその機能解析を行った。 本年度は、C.pneumonzaeエフェクター候補分子Fke063に対する特異的抗体を作成し解析を行った結果、C.pneumoniae感染細胞において宿主細胞内にFke063分子を検出することができ、新たにFke063をエフェクター分子として同定した。この分子は現在までにエフェクターとしての報告がない。GFP融合Fke063分子をHEp-2細胞に発現させると、核内に発現する。また感染細胞においても同様に核内においてFke063を検出する。すなわち、Fke063はC.pneumoniae感染後、宿主細胞に分泌され核内で機能することが示唆された。また、Fke063がエフェクター分子として同定できたことにより、申請者の研究室で開発したエフェクター候補分子の網羅的スクリーニングシステムが機能していることが確認できた。今後は、Fke063が宿主細胞のどのような分子と相互作用をしているかまた感染のどの時期に発現しているか等について解析を進めていく。さらに、他のC.pneumoniaeエフェクター候補分子に対しても特異的抗体を作製し、新たなエフェクター分子の同定および、それら分子の機能解析を同様に解析を進めていく。
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