2011 Fiscal Year Annual Research Report
TLRシグナル抑制分子群の機能解析および敗血症治療薬への応用に関する研究
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22790421
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Research Institution | National Institute of Health Sciences |
Principal Investigator |
杉山 圭一 国立医薬品食品衛生研究所, 衛生微生物部, 主任研究官 (80356237)
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Keywords | TLR / ペプチド / マイコトキシン / 敗血症 |
Research Abstract |
TLRシグナルの無秩序な亢進が原因となる敗血症は、米国一国においてさえ年間20万名もの死亡者数に達する疾病でありながら、有効な治療薬は上市されていない。本研究は、敗血症治療薬候補分子として特許化したToll-like receptor 4(TLR4)結合性ペプチドSTM28とその変異体、並びに発がん性が認められていないマイコトキシンのDeoxynivalenol(DON)のTLRシグナルへの抑制効果を知的アドバンテージとして、これらTLRシグナル抑制分子群の機能解析を実施すると同時に、同分子群の敗血症の治療薬のリードコンパウンドとしてのブラッシュアップを進め、臨床試験への供試を目指す。本年度は、in vitroのTLR4シグナルアッセイ系を用いて、DONの同伝達系阻害部位の同定を試みた。 マウスマクロファージ様細胞RAW264をDON存在下においてLipopolisaccharide(LPS)で刺激しTLR4の細胞内シグナル伝達に対する影響を検討した。TLR4細胞内シグナル伝達の下流に存在するLPS誘導性NF-kB依存性レポーター活性のDONによる濃度依存的な抑制が確認された。また、転写因子NF-kBの活性化に関与するLPS誘導性IRAK-1のリン酸化もDONが抑制することも確認した。更に、TLR4分子のアダプター分子であり、同シグナル伝達に関与するMyD88をDONがダウンレギュレーションする可能性を見いだした。即ち、TLR4シグナルを構成する2経路のうち、MyD88を介するシグナル伝達経路については、MyD88のダウンレギュレーションがDONによるTLR4シグナル抑制の分子基盤の一つである可能性が示唆された。本結果は、これまでに明らかにしたDONによるTLR9等のTLR4以外のMyD88依存経路を介したシグナル伝達経路に対するDONの阻害作用と矛盾しない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
DONによるTLR4シグナル抑制機序の解明に関しては、順調に研究が進んでいると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
STM28のTLR4シグナル抑制機序の分子基盤の解明については、TLR4との相互作用以外の観点からも解析を進めたい。
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