2010 Fiscal Year Annual Research Report
人獣共通感染症病原体レプトスピラによる宿主適応戦略の分子基盤の解明
Project/Area Number |
22790422
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
小泉 信夫 国立感染症研究所, 細菌第一部, 主任研究官 (10333361)
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Keywords | 人獣共通感染症 / レプトスピラ / スピロヘータ |
Research Abstract |
人獣共通感染症の病原体レプトスピラは,その血清型により特定の動物種の腎臓に定着志向性があることが知られているが,その分子機構は明らかとなっていない.そこで本年度は,レプトスピラの細胞接着タンパク質の同定を目的とし,ファージディスプレイ法による探索を行った.レプトスピラタンパク質をT7ファージの10Bキャプシドタンパク質との融合タンパク質としてファージ上に提示する,レプトスピラ血清型Copenhageni(Fiocruz株)のゲノムライブラリーを作製し,HeLa細胞への結合を指標にスクリーニングを行った.細胞の固定の有無や洗浄液の組成を変えて複数回のスクリーニングを行ったが,特定のクローン(インサート配列が同じファージ)を得ることはできなかった.今後,細胞/レプトスピラの種類を変えてスクリーニングを継続していく.また細胞接着タンパク質の探索法として,レプトスピラタンパク質を大腸菌のAIDA transporterとの融合タンパク質として大腸菌の細胞表面上に発現させる系を試みた.融合タンパク質が大腸菌表面に発現するか調べるため,レプトスピラ抗原タンパク質LigAのC末端イムノグロブリンドメインをAIDA融合タンパク質として発現させた結果,抗LigA抗体による免疫蛍光染色によりLigAが大腸菌表面に発現していることを確認することができた.現在,Fiocruz株全ゲノムAIDA融合タンパク質ライブラリーの作製が完了し,今後HeLa細胞やNRK52E細胞を用いたスクリーニングを行い,レプトスピラ細胞接着タンパク質の同定を試みる.
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