2010 Fiscal Year Annual Research Report
ZFP-LEDGF融合タンパクを用いたLVベクターの配列特異的挿入法の確立
Project/Area Number |
22790436
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
近藤 麻美 横浜市立大学, 医学部, 助教 (30453046)
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Keywords | レンチウイルスベクター / 配列特異的挿入 / 遺伝子ノックアウト |
Research Abstract |
レンチウイルスベクター(LVベクター)は、分裂細胞および非分裂細胞に高効率に遺伝子導入することが可能であるが、その遺伝子発現には宿主細胞の染色体への挿入が不可欠である。しかし、LVベクターの挿入サイトはランダムであるため、導入遺伝子のサイレンシングなど問題も多い。そこで本研究では、宿主染色体の配列特異的に一般的なLVベクターを挿入可能な手法を開発する。この技術によって、遺伝子ノックアウトをより容易におこなうことが可能になることが期待され、このような手法を開発することは重要であり、遺伝子疾患の原因解明など様々な研究発展に寄与すると考えられる。本研究では、ターゲット遺伝子をCCR5ケモカインレセプター遺伝子とした。LVベクターの宿主染色体への挿入に必須の宿主因子であるLEDGFのインテグラーゼ結合ドメイン(lBD)にCCR5塩基配列結合能を付与するため、CCR5遺伝子に結合能を有する亜鉛フィンガー(ZFP)をLEDGFlBDに融合させたタンパクZFP-lBDを構築した。 lBD-ZFP融合タンパクの標的CCR5オリゴDNAに対する結合能を測定するため、コムギ胚芽無細胞タンパク合成系を用いて合成したlBD-ZFPタンパクと、高感度分子間結合解析システムであるアルファスクリーンを使用した解析系を新規に構築した。その結果、標的配列でsignal/background(S/B)比約50と強い結合がみられたが、-塩基置換したオリゴDNAにおいてはバックグラウンドと同程度で、顕著な結合抑制がみられた。また、核移行シグナルを付与したlBD-ZFPを培養細胞で発現させ、インテグラーゼとの核内での共局在を蛍光抗体染色で確認した。
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