2011 Fiscal Year Annual Research Report
ZFP-LEDGF融合タンパクを用いたLVベクターの配列特異的挿入法の確立
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22790436
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
近藤 麻美 (井野 麻美) 横浜市立大学, 医学部, 助教 (30453046)
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Keywords | レンチウイルスベクター / 配列特異的挿入 / 遺伝子ノックアウト |
Research Abstract |
レンチウイルスベクター(LVベクター)は、分裂細胞および非分裂細胞に高効率に遺伝子導入することが可能であるが、その遺伝子発現には宿主細胞の染色体への挿入が不可欠である。しかし、LVベクターの挿入部位はランダムであるため、導入遺伝子のサイレンシングなど未解決の問題もある。そこで本研究では、一般に使用されているLVベクターの宿主染色体配列特異的な挿入を可能とする手法を開発する。この技術によって、遺伝子ノックアウトをより容易におこなうことが可能になることが期待される。また、このような手法を開発することは重要であり、遺伝子疾患の原因解明など様々な研究発展に寄与すると考えられる。本研究では、ターゲット遺伝子をCCR5遺伝子とした。LVベクターの宿主染色体への挿入に必須の宿主因子であるLEDGF IBDにCCR5塩基配列結合能を付与するため、CCR5遺伝子に結合能を有する亜鉛フィンガードメインをLEDGF IBDに融合させたタンパクを発現するプラスミドを構築し、それらを発現する複製能欠損型アデノウイルスベクター(Ad-ZFP-IBD)を作製した。また、レポーター細胞として、ルシフェラーゼ遺伝子の開始コドン直下にZFN結合領域を染色体上に導入したHCT116-CCR5-L2細胞を構築した。また、本研究の過程で、LEDGFタンパクはユビキタスに発現していることが判明し、endogenousなLEDGFのみの発現をノックアウトするため、non-coding region RNAに対するLEDGF shRNAを発現するプラスミドを構築した。HCT116-CCR5-L2細胞にLEDGF shRNA発現プラスミドおよびAdZFP-IBDを作用後、ピューロマイシン発現LVベクターを作用させ、ピューロマイシン耐性となったクローンに関して、ルシフェラーゼアッセイや、LVベクター挿入箇所について解析をおこなったが、配列特異的なLVの挿入を検出することはできなかった。
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