2010 Fiscal Year Annual Research Report
翻訳後修飾部位の変異体を用いたC型インフルエンザウイルスCM2蛋白の機能解析
Project/Area Number |
22790439
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
大桑 孝子 金沢医科大学, 医学部, 助教 (20460347)
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Keywords | C型インフルエンザウイルス / CM2蛋白 / 翻訳後修飾 |
Research Abstract |
C型インフルエンザウイルスの第二の膜蛋白CM2は、115個のアミノ酸からなり、以下の翻訳後修飾を受ける。(1)2量体/4量体の形成(1,6,20位のCys)、(2)N結合型糖鎖の付加(11位のAsn)、(3)リン酸化(78,103,108位のSerおよび104位のPro)、(4)パルミチン酸化(65位のCys)。これらの修飾がウイルス増殖に果たす役割を解明するために、修飾部位に変異を導入した種々の修飾部位欠損組換えC型ウイルスの作製を試みた。CM2の糖鎖付加部位である11位のAsnをAlaに置換したウイルス(rCM2-N11A)を作製するために、まず、CM2をコードするM遺伝子の833位と834位にA→Gの変異を導入したM遺伝子cDNAを合成した。これをPolI plasmidにクローニングし、pPolI/M-CM2-N11Aを得た。このplasmidとM遺伝子以外のvRNAを発現する6種類のPolI plasmidおよび9種類のウイルス蛋白発現plasmidを293T細胞にcotransfectionした。その後、培養上清を発育鶏卵羊膜腔に接種することによって、rCM2-N11Aを回収できた。rCM2-N11Aの作製が可能であることから、CM2の糖鎖はウイルスの増殖に必須ではないといえる。すなわち、糖鎖付加を受けなくても、CM2は正確にfoldingされ、また適切に輸送されると考えられる。このことは、C型ウイルスのHEF糖蛋白に付加される糖鎖が同蛋白の立体構造の形成や細胞内輸送に重要な役割を果たしていることと対照的である。
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Research Products
(6 results)