2010 Fiscal Year Annual Research Report
ヘルペスウイルス免疫回避分子MIRによる免疫受容体認識の分子基盤
Project/Area Number |
22790442
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
梶川 瑞穂 独立行政法人理化学研究所, 感染免疫応答研究チーム, 基礎科学特別研究員 (00464389)
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Keywords | ウイルス / 免疫回避 / 免疫受容体 / 膜タンパク質 / ユビキチンリガーゼ |
Research Abstract |
カポジ肉腫関連ヘルペスウイルス(KSHV)にコードされる初期遺伝子産物MIR (Modulator of Immune Recognition)は、免疫受容体を標的とする新規膜型E3ユビキチンリガーゼファミリーであり、KSHVの免疫回避に重要であると考えられている。しかしMIRによる免疫受容体認識の分子基盤は不明であることから、本研究はX線結晶構造解析およびNMR解析を軸とした構造生物学的手法によって、MIRと免疫受容体間の膜貫通領域内での相互作用の分子基盤を詳細に解明し、これを阻害することによるKSHV感染制御法の基盤を創出することを目的としている。本年度はMIRの構造決定のための組換えMIRタンパク質の生産を行った。MIRと免疫受容体の複合体状態でのX線結晶構造解析のため、MIRと免疫受容体それぞれを連結した単一ポリペプチド鎖について、昆虫培養細胞を利用して発現させることに成功したが、構造解析に耐えうる安定な可溶化・精製条件の決定には至らなかった。NMRを用いた相互作用解析のため、MIRの膜貫通領域のみの発現系を構築し、大腸菌を用いた生産と精製を行った。グアニジンによる変性条件化において、MIR膜貫通領域のアフィニティ精製および逆相クロマトグラフィーによる高度な精製に成功し、最終産物が正しく精製されていることを質量分析によって確認した。今後は変性状態からの巻き戻し条件を決定し、単独での構造決定ならびに免疫受容体膜貫通領域との相互作用解析を行う。
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Research Products
(1 results)