2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22790445
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
田原 舞乃 国立感染症研究所, ウイルス第三部, 研究員 (10572109)
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Keywords | 麻疹ウイルス / 上皮細胞 / 極性上皮細胞 / ワクチン / 受容体 |
Research Abstract |
上皮細胞を用いて、麻疹ウイルスHタンパク質のアミノ酸変化による抗原性の変化を解析した。Hタンパク質上には6つのantigenic siteがあることが分かった。6つのうち3つのantigenic siteは全ての遺伝子型の株で保存されていた。これらの抗体からのエスケープミュータントを得ることに成功し、保存されているantigenic siteの場所を特定した。また、エスケープミュータントの解析から、保存されているantigenic siteは麻疹ウイルスの性質を保持するために重要であることが分かった。このため自然界ではこの部位の抗体からエスケープするウイルスが表れる可能性が低いと考えられた。一方、残る3つのantigenic siteはウイルスの遺伝子型によって大きく変化していた。特に最近の流行株は糖鎖の付加によってantigenic siteIIの抗体から完全にエスケープしていた。これらのことから、麻疹ウイルスは、いつまでも単一血清型でありつづけるであろうが、多少なりとも抗原性のズレは生じていることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
麻疹ウイルスの感染機構について、レビュー論文を投稿した。またHタンパク質の構造上の複数のエピトープの役割について論文投稿予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
上皮細胞への感染様式については明らかになりつつあるので、今までと同様の研究方針で、さらに神経細胞への感染についても加えて研究を進める。
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Research Products
(8 results)