2010 Fiscal Year Annual Research Report
免疫記憶CD8T細胞の形成および維持機構におけるオステオポンチンの機能解析
Project/Area Number |
22790449
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
森本 純子 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教 (20451396)
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Keywords | オステオポンチン / CD8T細胞 / ウイルス感染 / 記憶免疫 / 二次感染 |
Research Abstract |
ワクチン療法は病原体を接種することにより、生体に抗原特異的免疫記憶を獲得させ感染症等を予防するものである。その為ワクチン療法の成否は免疫記憶の成立に依存していると言っても過言ではない。免疫記憶は長寿命(メモリー)のTおよB細胞によって担われており、特にメモリーCD8T細胞は、生体がウイルス等の再感染を受けた際の迅速な生体防御において重要な役割を担っていることは良く知られている。よってメモリーCD8T細胞の形成およびその維持機構を解明することは、効果的なワクチン療法につながることが期待されている。我々はTh1型サイトカインであるosteopontin (Opn)に着目し、これまでの研究結果よりOpnがインフルエンザウイルス感染に伴い早期にリンパ組織内で発現誘導されること、さらにOpn遺伝子を欠損したOpn-/-マウスでは、インフルエンザウイルス感染に伴って形成されるウイルス抗原特異的メモリーCD8T細胞の数が野生型マウスと比較して有意に増加していることを見い出してきた。これらの結果をふまえて今年度はそのメカニズムについて研究を行った。その結果Opn欠損環境下で形成されたウイルス抗原特異的細胞障害性CD8T細胞は、メモリープレカーサーCD8T細胞を多く含んでいることが明らかとなった。さらにこれは抗原提示細胞(APC)が産生するIL-12が、Opn遺伝子が欠損したAPCでは低下するためと考えられた。
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