2011 Fiscal Year Annual Research Report
免疫記憶CD8T細胞の形成および維持機構におけるオステオポンチンの機能解析
Project/Area Number |
22790449
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
森本 純子 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教 (20451396)
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Keywords | オステオポンチン / 記憶CD8T細胞 / ウイルス感染 / 二次免疫応答 |
Research Abstract |
免疫記憶は長寿命の免疫細胞(T細胞およびB細胞)により担われており、特にメモリーCD8T細胞は、生体がウイルス等の再感染を受けた際の迅速な生態防御において重要な役割を担っている。その為メモリーCD8T細胞の形成とその維持メカニズムを解明することは、効果的なワクチン開発につながることが期待される。Effector CD8T細胞は細胞表面分子の発現の違いから将来メモリーCD8T細胞になることが運命づけられているメモリープレカーサーCD8T細胞(MPEC)とeffector機能を発揮した後、アポトーシスにより死滅するterminal effector CD8T細胞(SLEC)に大別される。我々はOpn欠損マウスで形成されるウイルス抗原特異的effector CD8T細胞においてMPECが野生型マウスと比較して有意に増加していることを明らかにした。Opn欠損マウスの骨髄細胞より分化させた樹状細胞(DC)を不活化インフルエンザウイルスで刺激すると、野生型マウスと比較してIL-12の産生が減少していること、さらにはOpn欠損マウス内で形成されたeffector CD8T細胞は転写因子であるT-betの発現が減少していることを明らかにした。このことはIL-12がCD8T細胞内のT-betの発現を誘導し、その結果SLECへの分化を促すという過去の報告と一致する。我々はさらにOpn欠損状態下で形成されたメモリーCD8T細胞のインフルエンザウイルス二次感染に対する反応性を検討したところ、Opn欠損マウスでは二次感染後早期に肺からウイルスを排除できることが明らかとなった。以上の結果よりインフルエンザウイルス感染後早期にリンパ節内で発現誘導されるOpnはナイーブCD8T細胞からSLECへの分化誘導に関与していることが明らかとなり、効果的なワクチン開発においてOpnが標的分子となる可能性が示唆された。
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[Presentation]2011
Author(s)
K.Danzaki
Organizer
第40回日本免疫学会学術集会
Place of Presentation
幕張メッセ(千葉県)
Year and Date
20111127-20111129
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