2010 Fiscal Year Annual Research Report
シアロムチンnepmucinによる自己免疫応答調節機構の解明
Project/Area Number |
22790466
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
梅本 英司 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (90452440)
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Keywords | 免疫学 / 接着分子 / リンパ球動態 / 高内皮細静脈 / アポトーシス |
Research Abstract |
われわれは、これまでにリンパ節の高内皮細静脈(HEV)を含む微小血管に発現する接着分子nepmucinを世界に先駆けて向定し、nepmucinがリンパ球の接着および血管外遊走を媒介することを明らかにしてきた。また、われわれは、nepmucinのリガンドの同定を試みる過程で、nepmucinはホスファチジルセリンに選択的に結合を示すことを見出した。ホスファチジルセリンはアポトーシス細胞の表面に多く存在することから、nepmucinがアポトーシス細胞の取り込みに関与する可能性を検討したところ、nepmucin強制発現細胞株はアポトーシス細胞を効率的に取り込むのが認められた。本研究課題の目的に沿って、HEV血管内皮細胞によるアポトーシス細胞の取り込み能を検討したところ、まず、リンパ節から単離したHEV内皮細胞は、少なくとも部分的にnepmucin依存的にアポトーシスリンパ球を取り込むことが観察された。また、in vivoにおいて、野生型マウスのHEV内皮細胞は、ステロイド投与により誘導したアポトーシスリンパ球を取り込んだが、nepmucin欠損マウスのHEV内皮細胞ではその割合は減少した。したがって、nepmucinはHEV血管内皮細胞におけるアポトーシス細胞の取り込みを媒介する可能性が考えられた。これらの知見は、血中のアポトーシス細胞の効率よく除去する機構として、これまでほとんど考慮されてこなかったHEVの役割を明らかにした点で、重要である。Nepmucinを介してアポトーシス細胞を取り込んだHEV内皮細胞が、免疫反応を調節する可能性について、現在検討を進めている。
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Research Products
(3 results)