2012 Fiscal Year Annual Research Report
乳癌幹細胞サブタイプによる乳癌個別化と新規マーカー探索
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22790520
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
伊藤 貴子(斎藤貴子) 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10375173)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 乳癌 / 癌幹細胞 / 個別化 |
Research Abstract |
乳癌の進展、再発、転移には治療で残存した癌幹細胞の関与が考えられる。本研究では約200例の原発乳癌組織からスフェア培養を行い、癌幹細胞性と病態を比較検討することで、予後予測や転移予測や治療効果判定に役立つマーカーを探索することを目的とした。平成23年度にスフェロイド形成能とともに乳癌細胞表面マーカーと薬剤排出能を組み合わせたマーカー(CD44+/CD24-/Hoechst-)が癌幹細胞性を反映することを明らかにしたが、平成24年度では、このマーカーに加えてスフェロイドの癌幹細胞遺伝子発現の解析を行い癌幹細胞性と病態との関連を検討した。特に全乳癌の65~70%を占める最も頻度の高いサブタイプであるLuminal 型においてはホルモン治療抵抗を示す群の存在が報告されていることから、Luminal型乳癌における癌幹細胞性の解析を主に行い、癌幹細胞性によるLuminal型乳癌の細分化の可能性を検討した。Luminal型乳癌由来のスフェアの癌細胞遺伝子発現パターンは症例により異なりheterogeneityが明らかとなった。また癌関連細胞遺伝子発現パターンによりLuminal 型は少なくとも2つのサブタイプに分類可能であった。乳癌を含め他の癌においても高発現が報告されている癌幹細胞関連遺伝子NANOG優位型を示す症例ではスフェア形成能や癌幹細胞マーカー陽性細胞含有率が高く、癌幹細胞性が高い傾向を示した。また臨床病理学的因子においても組織学的悪性度、Ki-67、TopoIIαが高く悪性度が高い傾向を示した。この癌幹細胞遺伝子発現パターンによる分類は現在臨床で行われている免疫染色を利用したsubtype分類によるLuminal 型分類とは異なったことから、スフェアにおける癌幹細胞関連遺伝子発現パターン解析がLuminal型乳癌の新たな個別化の指標となり得る可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)