2011 Fiscal Year Annual Research Report
胆道癌診断における経乳頭的胆管生検組織を用いたIMP3免疫染色の臨床的有用性
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22790525
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
川嶋 啓揮 名古屋大学, 医学系研究科, 助教 (20378045)
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Keywords | IMP3 / S100P / 胆道癌 / 胆管癌 / 診断 / 経乳頭的胆管生検 |
Research Abstract |
胆道癌の治療は多大な侵襲を伴うため術前の組織学的エビデンスを得ることは重要である。しかし、胆管生検検体は小さく、また黄疸、炎症などの影響を受け病理組織診断が困難であることが多い。そこで胆管癌摘出標本の検討にて炎症組織での陽性率が低く、腫瘍性病変で陽性率が高いと報告されているIMP3(insulin-like growthufactor IIm RNA bindingu gpmtein 3)の発現を経乳頭的胆管生検にて得られた極小な組織でも免疫組織学的に検討可能であるか否かを調べる。可能であれば発現様式が術前診断率の向上への寄与の検討を第一の目的とし、副次的に臨床経過の予測など日常臨床に有用であるかを検討することを目的とする。生検組織の50検体をretrospectiveに検討し、HE染色にて確定診断のつかなかった胆管癌症例の14例中6例でIMP3染色が中等度以上の染色効果を示し、IMP3染色がより確実な質的診断に寄与する可能性が示唆された。また、昨年度にS100P免疫染色の胆道癌の生検組織診断の有用性に関する論文が発表されたため、IMP3と同じ検体を用いてS100Pの免疫染色も施行した。こちらは良悪性鑑別診断には有用でない可能性が示唆されたが、その染色形態と予後との相関が示唆される結果が示された。この50例の結果を日本胆道学会、日本消化器病学会にて発表した。さらに今年度は30例の検体を追加で免疫染色し、先に得られた結果を裏付ける結果が得られた。この結果によって論文作成を進めている段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目的を概ね満たす結果が得られている。論文発表の準備段階である。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度はretorospectiveに検討した結果を学会・論文発表し、その結果をもってprospectivestudyを立ち上げ、日常臨床に有用に活用する方向付けをしたいと考えている。
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Research Products
(2 results)