2010 Fiscal Year Annual Research Report
中枢神経系における内因性ジギタリスを介した高血圧発症メカニズムの解明
Project/Area Number |
22790534
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
吉賀 正亨 関西医科大学, 医学部, 助教 (70434834)
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Keywords | 内因性ジギタリス / 高血圧 / 生理活性物質 / アルドステロン / 視床下部 / ELISA / 質量分析 / HPLC |
Research Abstract |
中枢神経系に内因性ジギタリス(EDLF)特にcardenolide属するにouabain (OUA)が視床下部に存在することを免疫組織染色を用いて我々は以前に報告している.その生理作用はLeenenらのグループが中枢でのOUA分泌が交感神経の亢進を介して血圧上昇することを報告しており,その調節に脳内のレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系が深く関与することが報告されているが,その詳細はまだ十分解明されていない.その原因として,視床下部の確立された培養細胞がすくなくOUAの視床下部での産生・分泌メカニズムが解明されていない.我々は,市販されているマウス視床下部不死化細胞株(N1細胞)からELISAと高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を組み合わせてOUA分泌を確認した.さらにその分泌がアルドステロンで増加し,その分泌をミネラロコルチコイド受容体(MR)阻害剤であるエプレレノンで抑制したことを確認し報告した.今回の我々の発見は,いまだ十分解明されていない視床下部からのOUAの分泌・産生メカニズムの解明のための重要なツールとなると思われる. bufadienolideに属するMarinobufagenin (MBG)やMarinobufotoxin (MBT)が末梢組織の副腎から分泌されており,血圧上昇や水代謝にOUAより強く関与することが我々を始め多くの研究チームから報告されている.中枢神経系にはbufadienolideに属するproscillaridin Aが存在することが報告されているが,中枢神経系にMBG,MBTが存在するかの検討は今までされていなかった,今回我々は,N1細胞からELISAを用いMBG様免疫活性物質(MBGi)の分泌を確認した.しかしELISA,HPLCを用いた検討から,MBGiの中心物質はMBG, MBT, proscillaridin Aとも異なる溶出位置にピークをみとめたことから新規のMBG関連物質が視床下部から分泌されている可能性が示唆された.ひきつづき我々はこの物質の分離精製をすすめている.
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Research Products
(4 results)