2011 Fiscal Year Annual Research Report
アスベスト曝露に起因するNK細胞機能抑制の解明に基づく悪性中皮腫予防指標の構築
Project/Area Number |
22790550
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
西村 泰光 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (90360271)
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Keywords | アスベスト / 悪性中皮腫 / NK細胞 / 抗腫瘍免疫 |
Research Abstract |
昨年度の研究から明らかになった石綿曝露下PBMC培養時のIL-12,TNF-α,IFN-γ,IL-17産生量低下と、石綿曝露時のNK細胞の特徴であるNK細胞上NKp46発現量低下の関連性について明らかにするとともに、上記サイトカインを中心に胸膜プラーク陽性者および悪性中皮腫患者の末梢血中サイトカイン濃度の変化を調べた。IL-12p40とTNF-αおよびIFN-γとIL-17AのmRNAレベルはCB曝露下培養後ソートした単球・マクロファージ系細胞およびTh細胞でそれぞれ低下していた。IL-12,IFN-γ,IL-17Aに対する中和抗体の添加は培養後のNK細胞上NKp46量を一部低下させた。MM群ではHV群と比べEotaxinが有意に低く、MCP-1,IL-8,TNF-αが有意に高く、またPL群と比べG-CSFが有意に高かった。PL群またはPL・MM両群をまとめた石綿曝露群はHV群に比べ有意に高いIP-10値を示した。重回帰分析の結果は、MCP-1,Eotaxin,TNF-α,MIP-1β濃度の変化がMMと関係が強いこと示し、予測式より求められる値はMM患者の6/7においてHV群・PL群の最高値よりも高値を示した。石綿曝露下PBMC培養時のNK細胞上NKp46低下にはIL-12,IFN-γ,IL-17A濃度低下が一部関わることが分かった。MM患者、PL陽性者にはそれらの血漿中濃度低下は見られなかったが、両者におけるサイトカイン濃度の違いが明らかとなった。MCP-1,Eotaxin,TNF-α,MIP-1β濃度を独立変数とした予測式はPL陽性者とMM患者の違いを示し、NK細胞上NKp46発現量低下と併せて、末梢血を用いたMM診断指標として役立つ可能性を示唆する。
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Research Products
(6 results)