2011 Fiscal Year Annual Research Report
受動喫煙の脳心血管リスク:前向きコホート研究による縦断的検討
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22790556
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
井上 隆輔 東北大学, 病院, 助教 (80400274)
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Keywords | 受動喫煙 / 高血圧 / 家庭血圧 / 脳卒中 / 心血管疾患 |
Research Abstract |
受動喫煙と高血圧発症の関連を明らかにするため、同居家族の喫煙を受動喫煙の指標とし、同居家族の喫煙が高血圧発症に関連するかを縦断的に検討した。血圧値として再現性、予後予測能が診察室血圧よりも優れる家庭血圧を用いた。 大迫研究に参加した家族と同居中の35歳以上の家庭血圧が正常(家庭血圧<125/80mmHgかつ降圧薬非服用者)である非喫煙女性469人(平均53.7歳)を対象とした。対象者を同居家族の喫煙状況により、「現在家族の喫煙あり」、「過去に家族の喫煙あり」、「家族の喫煙なし」の3群に分類し、平均8.1年の追跡ののち再び家庭血圧を評価した。ロジスティック回帰分析を用い、各群の家庭高血圧(家庭血圧≧135/85mmHgまたは降圧薬内服開始)発症のオッズ比を検討し、追跡開始時の年齢、家庭収縮期血圧、肥満の有無、現在喫煙者・過去喫煙者を含めた同居する喫煙者数、糖尿病・脂質代謝異常症・心血管疾患の有無、追跡年数にて補正した。 追跡期間中に、70名の家庭高血圧発症が認められた。「家族の喫煙なし」群を基準とした際の「現在家族の喫煙あり」群の高血圧発症のオッズ比は4.48(95%信頼区間1.50 - 13.4)と、有意に高値であった。また、「過去に家族の喫煙あり」群のオッズ比は、有意ではないが、1.56(95%信頼区間0.37 - 6.53)と、やや高めであった。補正項目から収縮期血圧を除き、拡張期血圧を用いた場合も同様であった。収縮期血圧と拡張期血圧の両方で補正した場合も同様であった。さらに、我々は先行研究で白衣高血圧が家庭高血圧発症の予測因子であることを示しているが、白衣高血圧の有無によって補正しても、「現在の家族の喫煙」は家庭高血圧発症に対する独立した有意な危険因子であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は1年目で受動喫煙を受けている対象者は家庭血圧が有意に高値であることを横断的に示した。2年目では受動喫煙は長期的な家庭血圧を基準とした高血圧の発症と関連することを示し、高血圧学会で発表した。また、同様の内容を、現在Journal of Hypertension誌に投稿中である。
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Strategy for Future Research Activity |
縦断的検討により、受動喫煙と予後(主に脳血管疾患発症)との関連について検討する。また、受動喫煙と自由行動化血圧や脈波伝播速度、あるいは各種血液マーカーとの関連を横断的に検討する。
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Research Products
(1 results)