2011 Fiscal Year Annual Research Report
自閉症児のきょうだいに対する有効な支援方法の開発に関する研究
Project/Area Number |
22790560
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
川谷 正男 福井大学, 医学部附属病院, 講師 (10362047)
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Keywords | 自閉症スペクトラム障害 / きょうだい支援 / 客観的評価 |
Research Abstract |
昨年度施行した福井県における自閉症のきょうだい支援の現状と必要性に関するアンケート調査を行い、その結果を第53回日本小児神経学会総会で報告した。福井県自閉症協会の協力を得て、多職種の専門家(小児科医、臨床心理士や教諭など)による「きょうだいの会」を設立し、自閉症児のきょうだい児に対する支援活動を行っており,本年度は、きょうだい児5名に対して1年間に4回の支援活動を行った。平成23年9月に、福井大学子どもの発達研究センターキックオフシンポジウムで、「自閉症児のきょうだい支援の必要性と実際」に関するシンポジウムを行った。 発達障害の客観的診断や病態把握に有用なバイオマーカーの開発として,発達障害児とそのきょうだいに対する酸化ストレスの影響についての研究と発達障害児における脳波異常の違いや脳波検査の有用性に関する研究を行った。自閉症や注意欠陥多動性障害といった発達障害児の尿中酸化ストレスマーカーを計測し、約30%の症例で健常対象と比べ有意に脂質酸化ストレスが亢進していることを報告した(Redox Rep,2011)。自閉症や注意欠陥多動性障害の小児例の脳波を計測し、発達障害の特性と脳波異常との関連について検討を行ったところ、脳波異常の部位や種類を組み合わせて多変量解析を行うことにより、自閉症と注意欠陥多動性障害の鑑別に有用であることを報告した(Brain Dev, in press)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度は、多職種専門家によるきょうだい支援の会を結成し、自閉症児を持つきょうだい児に対して支援活動を行い、当事者や保護者から好評価を得ている。さらに、酸化ストレスマーカーや脳波解析といった発達障害の病態や診断に有用なバイオマーカーの開発に関する研究も一定の評価を得ている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は、前年度までのきょうだい支援活動の有用性、問題点や課題について、当事者、保護者や支援者に対してアンケート調査を行い、きょうだい支援に関する有効なプログラムの開発に改善を加える予定である。さらに、発達障害児やそのきょうだい児から、主に酸化ストレスマーカーや脳波解析を行い、発達障害の病態や診断に有用なバイオマーカーの開発を確立することにより、きょうだい支援プログラム開発の一助とする。最終的に、これらの成果を講演会の開催、きょうだい支援に関するホームページの作成、論文執筆や学会報告によって、きょうだい支援の重要性や必要性について関係者に啓発を行い、相互交流を深める予定である。
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[Journal Article] A novel mutation in the LMNA gene causes congenital muscular dystrophy with dropped head and brain involvement2012
Author(s)
Hattori A, Komaki H, Kawatani M, Sakuma H, Saito Y, Nakagawa E, Sugai K, Sasaki M, Hayashi YK, Nonaka I, Nishino I
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Journal Title
Neuromuscul Disord
Volume: 22
Pages: 149-51
DOI
Peer Reviewed
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