2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22790575
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
岡田 志麻 立命館大学, 理工学部, 助教 (40551560)
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Keywords | 小児睡眠 / 体動 / 発達障害 / 動画解析 |
Research Abstract |
1.本研究の概要 本研究では,小児のための非接触型睡眠診断法の開発の確立とその臨床応用を目指してきた.センサ類から計測対象を全く切り離した完全な無拘束・非接触計測である,ビデオ計測による動画像を用いて体動を検出し,体動の情報のみから小児の睡眠深度を推定する手法を開発し,さらに小児睡眠障害(OSAS:閉塞性睡眠時無呼吸症候群,発達障害)の臨床応用について検討を行った. 2.小児における非接触型睡眠診断法の開発 定型発達児38名に対し,PSG検査と動画像による体動計測を行い,動画像から計測した体動により,"REM睡眠と軽い睡眠","深い睡眠","覚醒"を判別する判別式を確立した.この判別式を用いて計算される睡眠段階とPSGにより判定される睡眠段階の一致率を各睡眠段階において計算し,一致率は85%以上を達成した. 3.非接触型睡眠診断法の妥当性の検討(OSASの評価) OSAS術前・術後における睡眠の質の回復を評価し,非接触型睡眠診断法の妥当性を検証した.OSAS手術を施行した症例5例を抽出し,非接触型睡眠診断法におけるOSAS術前・術後の睡眠の回復度合いを評価した.この際,医師の診断所見と100%一致した. 4.PDD児,ADHD児の体動からの症状診断法の開発(発達障害の診断) PDDやADHD患者の睡眠時の体動に特化した睡眠深度を推定する判別式を確立することを当初の目的としていた.しかし,これらの発達障害児では睡眠時の体動様式が定型発達児と著しく異なり,睡眠深度の推定式を確立することは困難であった.そこで,新しく発見した発達障害児の体動様式から,就寝中の体動のみから発達障害児を診断する手法を開発した.
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