2011 Fiscal Year Annual Research Report
要援護高齢者を介護する家族の援助要請行動の特徴とその要因の解明
Project/Area Number |
22790578
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Research Institution | 新見公立大学 |
Principal Investigator |
矢嶋 裕樹 新見公立大学, 看護学部, 講師 (00550469)
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Keywords | 介護 / 高齢者 / 援助要請 |
Research Abstract |
本研究は、要援護高齢者を介護する家族の援助要請に関わる心理社会的要因を明らかにすることで、何らかの悩みや問題を抱えながらも専門家に相談を求めない、あるいは求められないといったサービス・ギャップ問題の解決の糸口を得ることをねらいとしている。最終年度にあたる平成23年度は、要援護高齢者の介護者を対象にカウンセラーへの援助要請に関する自記式質問紙調査を実施した。この調査では、主としてAjzenによる計画行動理論(Theory of Planned Behavior)に基づき、カウンセラーへの援助要請意思に影響を与えると思われる心理学的諸要因として、「行動に対する態度」「主観的規範」「知覚された行動統制感」を取り上げた。調査の結果、カウンセラーへ援助を求めることに対してネガティブな態度をもつ者ほど、カウンセリングを受けることを重要な他者が期待していない(望まない)と感じる者ほど、場所や時間、費用の点でカウンセラーへ援助を求めることに困難を感じている者ほど、カウンセラーへの援助要請意思が低い傾向がみられた。変容が期待できる上記の要因に働きかけることで、カウンセラーに対する援助要請意思の向上が図られる可能性が示唆された。以上、前年度と本年度の2度にわたる調査により、医療・福祉の専門家やカウンセラーなどに対する家族介護者の援助要請意思・態度・行動の実態およびそれらに関する諸要因が明らかとなり、サービス・ギャップ問題解決のための幾許かの手がかりを得ることができた。
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