2013 Fiscal Year Annual Research Report
脂肪酸摂取の認知機能に及ぼす影響に関する長期縦断疫学研究
Project/Area Number |
22790584
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Research Institution | National Center for Geriatrics and Gerontology |
Principal Investigator |
大塚 礼 独立行政法人国立長寿医療研究センター, NILS-LSA活用研究室, 室長 (00532243)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 脂肪酸 / 認知機能 |
Research Abstract |
本研究は食事を介した認知機能の低下予防を目的とし、地域在住中高年者を対象とした長期縦断疫学調査(第1-7次調査実施済み)から、脂肪酸と認知機能との関連について検証するものである。脂肪酸摂取量は3日間の秤量式食事記録調査から算出し、認知機能は認知機能障害スクリーニング検査(MMSE:Mini Mental State Examination)およびウェクスラー成人知能検査を用いて評価する。さらに生体内脂肪酸濃度の一指標として血清脂肪酸濃度を用い、認知機能との関連性についても検討する。 昨年度までに、n-6系多価不飽和脂肪酸の中でもリノール酸の摂取量または血清濃度が高い群ほど情報処理能力が高い結果等を報告した。 本年度は最終年度としてn-3系多価不飽和脂肪酸、特にDHA、EPA摂取量とその血清濃度が認知機能といかなる関連を有するかを詳細に検討した。その結果、第2次調査のMMSE(0-30点)が24点以上の地域在住男女において、第7次調査のMMSE得点が23点以下を認知機能低下群とみなすと、血清DHA濃度3分位第一分位群(T1群) に比し第二分位群(T2群)では認知機能低下に対するオッズ比が0.11(95%信頼区間:0.02-0.59)、第三分位群(T3群)では0.18(0.04-0.74)と低かった。血清EPA濃度では、T1群に比しT2、T3群では2.43(0.65-9.15)、0.42(0.07-2.57)であり有意な関連は認められなかった。これらより、血清DHA濃度が高いT2、T3群では10年後の認知機能低下リスクが低かったが量反応関係は認められなかったことから、DHA濃度が低いことがリスクである可能性が考えられた。これまでの検討から、DHA摂取量と血清DHA濃度は高い相関が認められること、既報研究では血清DHA濃度は摂食することによりその血中濃度が高くなることが多数報告されていることから、日常的なDHA摂取により、血清DHA濃度を高めることが、認知機能低下を抑制する可能性があると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)