2011 Fiscal Year Annual Research Report
RT-LAMP法を用いたアルボウイルスの網羅的検索
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22790587
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Research Institution | Osaka Prefectural Institute of Public Health |
Principal Investigator |
青山 幾子 大阪府立公衆衛生研究所, 感染症部, 主任研究員 (90332452)
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Keywords | RT-LAMP / 感染症 / ウイルス |
Research Abstract |
アルボウイルス感染症により、毎年海外で多数の感染者や死者が報告されており、わが国に入ってくる感染症も多様化している。これら感染症に対する検査法の確立は急務であり、本研究課題ではアルボウイルスの鑑別を、従来法よりも、より簡便で短時間に行う方法の開発を目的とする。本研究の対象として蚊媒介性疾患のフラビウイルスとアルファウイルス感染症をモデルとし、RT-LAMP(real-time reverse transcription-loop-mediated isothermal amplification assay)法を用いた網羅的検索法を構築する。本法により、アウトブレイク時に検体が急増しても迅速に対応することが可能となり、ベクターサーベイランスなど多検体のスクリーニングも簡便に実施できる。さらに、網羅的検索により未知のウイルスを検出することも可能となる。 平成23年度は、共通プライマーとウイルス特異的プライマーの作成をした。これらのプライマーに対してデングウイルス、日本脳炎ウイルス、ウエストナイルウイルス、ジカウイルス、チクングニヤウイルスの5種類について反応性を検討した。共通プライマーについては低感度のものがあり、今後プライマーをさらに改変して検出感度を上昇させることが必要である。またRT-LAMP法と同様に短時間で反応ができ、かつ全自動で遺伝子解析が可能なGENECUBEQprobe法を用いて、アルボウイルスの迅速診断法をさらに検討した。今年度はフラビウイルスを対象とし、日本脳炎ウイルス、デングウイルス、ウエストナイルウイルスについて検出系を作成した。今後RT-LAMP法とGENECUBE Qprobe法の利点を比較検討しながら、目的に応じて適した検査法を選択できるよう迅速診断法を確立する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
作成した共通プライマーについて、現行のリアルタイムPCR等と比較するとかなり低感度のものがあり、実用には適していないため、今後も改良が必要である。そのため、実際の検体を使用した比較が行えておらず、今後の検討課題となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後RT-LAMP法のプライマー開発を継続し感度上昇を試みるが、新たな全自動遺伝子解析装置GENECUBEは、検体の遺伝子抽出から核酸増幅、検出、判定までが1時間半程度で終了するため、RT-LAMPよりもさらに迅速性が高いと考えられる。また本機械は一検体に対し、多項目のウイルス検索が同時に実施でき、少ない検体から多項目を検査することの多い地方衛生研究所においてかなり汎用性があると考えられる。そのため、本年度はアルボウイルス検出に関して、RT-LAMP法だけでなく、GENECUBE Qprobe法にも注目し、迅速で高感度な検出方法の開発を実施する。この実験診断法が確立すると、より効率的で高性能な診断法が導入でき、より迅速な感染症対策に寄与できることが期待される。
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Research Products
(5 results)