2010 Fiscal Year Annual Research Report
水酸化PCBによる母乳汚染の実態と経年的曝露影響に関する研究
Project/Area Number |
22790588
|
Research Institution | Osaka Prefectural Institute of Public Health |
Principal Investigator |
柿本 健作 大阪府立公衆衛生研究所, 衛生化学部, 研究員 (40435889)
|
Keywords | 水酸化PCB / 母乳 |
Research Abstract |
平成22年度の研究の中で水酸化PCBの抽出条件の検討を行った結果、中性条件で抽出した場合、酸性条件に比べて抽出効率が約半分程度であることがわかった。異性体によっては中性条件ではほぼ回収されないものも存在した。従って当所に過去から経年的に保存してある中性条件抽出母乳脂肪を分析しても定量的な結果が得られないことがわかった。抽出以降の検討では精製に硝酸銀シリカゲルを使用することで水酸化PCBをPCBと分離できることが確認できた。添加回収試験を行なった結果、対応する内部標準物質が存在する場合は内部標準物質補正回収率で103~113%であった。内部標準物質がない異性体について同塩素数の異性体で補正を行い153%(n=3)であった。分析は液体クロマトグラフ/タンデム質量分析計(LC/MS/MS)を定量に使用した。水酸化PCBを高分解能ガスクロマトグラフ-高分解能質量分析計(HRGC/HRMS)で分析する場合硫酸ジメチルによるメチル化反応を行ったが異性体により反応効率が異なるデメリットがあった。しかし定量下限値は異性体によってはLC/MS/MSより低くとれるためLC/MS/MSとHRGC/HRMSとを併用することとした。当所に保存してある中性条件抽出母乳脂肪(2003~2008)を分析した結果今回分析した水酸化PCB(4H107、 3H138、 4H146、 4H187、 4H172)いずれも検出されなかった。定量下限は0.1ng/gfatであった。
|