2010 Fiscal Year Annual Research Report
肺炎球菌ワクチン(PCV-7)の導入により、新たな流行クローンは出現するのか?
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22790589
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Research Institution | Osaka Prefectural Institute of Public Health |
Principal Investigator |
河原 隆二 大阪府立公衆衛生研究所, 感染症部, 主任研究員 (10332454)
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Keywords | 肺炎球菌 / ワクチン / 薬剤耐性 / 分子疫学 |
Research Abstract |
2007~2010年に小児99例(髄膜炎2例、肺炎1例、潜在性菌血症他96例)・成人4例(死亡2例、髄膜炎1例、潜在性菌血症1例)の血液・髄液等無菌部位より分離された肺炎球菌103株を対象とした。薬剤感受性試験は微量液体希釈法を用い、PCGのMIC値(ug/mL)により、PSSP≦0.06、0.06<PISP<2、2≦PRSPと分類し、他の薬剤についてはCLSIの基準に基づいて判定した。血清型は、肺炎球菌型別用血清を用いて決定した。薬剤耐性遺伝子については、ペニシリン結合タンパク2x、2b、1a遺伝子配列の解析およびリアルタイムPCRによるerm(B)、mef(E)/(A)、tet(M)の検出を行った。MLSTは、http://spneumoniae.mlst.netに記載されている方法に基づいて実施した。 各菌株の血清型は、6B(27株)、23F(15株)、19F(13株)の順に多く、全菌株のPCV-7カバー率は76.7%であった。PCGに対する耐性の内訳は、PRSP16株(15.5%)、PISP39株(37.9%)、PSSP48株(46.6%)となった。その他の薬剤に関しては、EM+CLDM耐性53株(51.5%、erm(B)陽性)、EM耐性36株(35.0%、mef(E)陽性)、MINO低感受性~耐性94株(91.3%、tet(M)陽性)、LVFX耐性は見られなかった。MLSTの結果、ST型は49タイプとなり、eBURST解析により10のグループと24のSingletonに分類された。また、11株がTaiwan^<19F>-14、8株がSpain^<6B>-2、3株がGreece^<6B>-22など、国際流行株と同一~近縁のST型を有するものが見られた。
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Research Products
(1 results)